25 ページ39
『…私、今日、神代さんに告白されたんです』
驚くほど自然に事実を告げた。
私も自分で言ったくせに驚いてるけど、
1番動揺したのは天馬さんだろう。
奏でていたピアノの演奏を止め、目を見開いて私を見ている。
司「………それは、本当…か?」
『…本当です。 天馬さん、私はどうしたら良いですか』
天馬さんは相談に乗ってくれる先生じゃない。
でも、それほど優しいのを私は知ってる。
まっすぐ天馬さんだけを見つめて、返事を待つ。
何だろうこの空気…告白のシーンみたいだ。
今日、神代さんにされちゃったからかな。
司「…お前は、類の事が好きなのか?」
『…分かりません。 突然過ぎて、私は神代さんにちゃんとした
返事を返せるのか分からなくて…』
司「……そうか、告白というものはお前の気持ちが重視される。
もしお前が、類を好きなのだと気付いたら伝えに行くと良い」
『伝えるって言ったって…何て言えば、』
司「お前の思い付く言葉で言えば良いんだ。
台本のように前から考えずに、その場で言うんだ」
凄い、さすが天馬さんだ。
やっぱりこの人に話して良かった。
〜司side〜
『…私、今日、神代さんに告白されたんです』
言葉が出なかった。
困惑して、何が起こっているのか思考が追い付かない。
類が、Aに告白した…?
Aは何て返事したんだ、いやまずAに何か言わなければ。
考えた末、出た言葉は疑問だった。
司「………それは、本当…か?」
『…本当です。 天馬さん、私はどうしたら良いですか』
オレに聞かないでくれ。
Aは知らない、オレの事を知らない。
「オレもAが好きだ」
…なんて言えたら、どれだけ良いだろうな。
残念ながら、そんな勇気は今無かった。
司「…お前は、類の事が好きなのか?」
これで『好き』と言ったらどうする。
それは自滅だ、オレがもう手出しできなくなる。
相当なリスクだ…。
心のどこかで類とAを応援したいオレと、
そう答えないでくれと祈るオレが居る。
『…分かりません。 突然過ぎて、私は神代さんにちゃんとした
返事を返せるのか分からなくて…』
安堵した。
心の中のどのオレも、安堵した。
良かった、まだ獲る方法はたくさんある。
それに時間だって、嫌なくらいにある。
────
合計6900hit超え、ありがとうございます!
更新できなくて申し訳ございませんでした…。
275人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ramune - めいさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしてくれて嬉しいです。僕も親の前だと一人称変えてますよ笑 (2023年3月4日 23時) (レス) @page35 id: a4dd4a8261 (このIDを非表示/違反報告)
めい - まじで最高です!26話キュン死とかしそうてか僕もネット上では一人称僕ってゆってます!リアルは引かれるのでやめてますけどねw (2023年2月26日 15時) (レス) id: 1a8f013e22 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - もぐもぐさん» ぎゃー!!ありがとうございます!!この作品にそんな時間を掛けて下さるとは…!次回作も内容しか思いつきません!ありがとうございます! (2022年12月23日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐ - 今日話全部読んでみました.....!!!マジめっちゃ話面白くて、一気に読んじゃいましたwほんといい話でした。感動だぁ!もうずっとドキドキしっぱなしでしたwまた楽しみにしてます! (2022年10月15日 23時) (レス) @page46 id: 813177f50b (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 海月ルナさん» ありがとうございます申し訳ございません…!! (2022年10月4日 21時) (レス) @page42 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ramune | 作成日時:2022年5月11日 19時