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そう、まるで少女漫画のように。

よくある展開、何度でも見たはずの展開。

それでも実際に起こると、自分が思っている以上に

現実は理解できなかった。


『…そう、なんですか』


もっと違った言葉が出るんだと思ってた。

動揺した「え?」とか、もっと恥ずかしくなるのかな、なんて。

全然違うじゃないか。

可愛げのない理解したふりの言葉。

勇気を出して言ってくれた神代さんに申し訳なくなる。

私の言葉を聞いた神代さんの直後の表情は知らない。

怖くて見る事ができなかった。


類「Aくん、僕の事を見てくれるかい?」


そう言われて、告白された後、初めて神代さんの事を見た。

嬉しそうに微笑む神代さんは、私の事をしっかり見ていた。

…あぁ、そうじゃん私。

神代さんの方が勇気が必要で、凄く怖いはず。

それでも逃げなかった、目を逸らさなかった。


自分が、情けない。


類「ありがとう、理解してくれて」


『そんな、でもちゃんとした返事なんかしてないし…』


類「返事なんていらないよ」


「返事はいつでも」なんて言葉は落ちてこなかった。

「返事はいらない」と、確かに言った。


類「我儘だけど、告白したのは僕の自己満足と思って欲しい。

  無理矢理好きにさせる気はないよ、司くんに気付かされたんだ」


『…天馬さんに』


類「最初は絶対に好きにさせると考えていたんだけど、

  司くんも彼なりに、気に入ってもらえるようにしてるんだよ」


だから返事はいらない、そう言ってやっと目を伏せた。

神代さんが羨ましい。

そう、強がれる心が欲しい。


類「…そう、思っていたんだけどね」


距離が縮まって、神代さんの影が私の体に落ちる。

顔と顔の距離が僅か10cmほどになった頃、

私の顔に息を吹きかけるように微笑んだ。


類「僕だって欲はある。

  やっぱり返事は欲しい」


『…いつまでにですか?』


それなら期限が欲しい。

そう言うと神代さんは驚いたように目を見開いた。


類「…夏休みの8月10日、なんてどうかな」


『分かりました。 それまでに返事を出します』


類「あ、ちなみに誰に相談してくれても構わないよ?」


その瞳の奥には、何か作戦があるように見えた。


────


合計6100hit超え、お気に入り登録280人超え、

ありがとうございます!

更新できず、すみませんでした。

今日から夏休みに入ったので、前よりは更新できるはずです!

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設定タグ:プロジェクトセカイ , 天馬司 , 神代類   
作品ジャンル:恋愛
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ramune - めいさん» コメントありがとうございます!きゅんきゅんしてくれて嬉しいです。僕も親の前だと一人称変えてますよ笑 (2023年3月4日 23時) (レス) @page35 id: a4dd4a8261 (このIDを非表示/違反報告)
めい - まじで最高です!26話キュン死とかしそうてか僕もネット上では一人称僕ってゆってます!リアルは引かれるのでやめてますけどねw (2023年2月26日 15時) (レス) id: 1a8f013e22 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - もぐもぐさん» ぎゃー!!ありがとうございます!!この作品にそんな時間を掛けて下さるとは…!次回作も内容しか思いつきません!ありがとうございます! (2022年12月23日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐ - 今日話全部読んでみました.....!!!マジめっちゃ話面白くて、一気に読んじゃいましたwほんといい話でした。感動だぁ!もうずっとドキドキしっぱなしでしたwまた楽しみにしてます! (2022年10月15日 23時) (レス) @page46 id: 813177f50b (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 海月ルナさん» ありがとうございます申し訳ございません…!! (2022年10月4日 21時) (レス) @page42 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ramune | 作成日時:2022年5月11日 19時

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