守るべき人 ③ (ページ15)

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玄関に入るなり

翔くんを思いっきり抱き締めた。

「愛してます、翔くん」

「ふふっ、めっちゃ急じゃん、笑

　... 俺も、竜也の事愛してるよ」

俺の耳元で優しく甘い声で発せられた言葉。

酒の所為も有るのか

何時にも増して照れてしまう。

駄目だ ... 冷静になれ、俺。

「 ...... ね、翔くん、

　さっきの話聞かせて下さい」

「嗚呼、分かった」

リビングのソファに2人寄り添って座り

翔くんの話に耳を傾ける。

俺等がまだ付き合う前、

増田と菊池と翔くんの家にお邪魔した日。

翔くんへの想いが溢れて仕方無くて

でも翔くんの今後を考えたら伝えきれなくて、

自分の気持ちに蓋をする様に

普段以上に酒を煽って潰れて

結局翔くんに迷惑を掛けてしまった日。

... あの時、俺は泣いてたらしい。

" 誰にも渡したくない " と零したらしい。

気持ちを抑える為に飲んだはずなのに

結局は本音を漏らしてた。

当然、当時の翔くんは何の事か

全く分かってなかったみたいだけど。

懐いてくれる後輩の事は

とことん可愛がってくれる翔くん。

俺があの時、翔くんに心を開かなかったら

今頃の俺は如何なってただろうか。

考えるだけで恐ろしいけど、

俺に翔くんを好きにならないなんて

未来は無かったんだろうな。

そう思えるくらい

幸せな日々を過ごせてる。

今の此の国の法律じゃ

俺等は結婚する事は出来ないけど、

此れからの俺の人生は

一生翔くんと共にすると決めたから。

何が有っても翔くんだけは守り抜く。

絶対、幸せにする。

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