何回だって君に。【青】

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こ｢ん、｣



さ｢そういえば｣



再び降りようとしたところで止められる


こ｢なに？｣



さ｢さっきお前俺の部屋入った？｣



明らかに肩がビクッとしたのがわかる
情けない、もっとポーカーフェイスというものができないのかころんよ

入ってないよ、と絞り出すように答えると

さ｢そうか｣

なんて、文句でもあるのかと思うぐらいの無愛想な返事が返ってきた





さとみくんと話し終わり階段をおり玄関に向かう


いつも履いているスニーカーは踵の部分が擦れて滑らかになっていた
それを指先で撫でると砂が風に運ばれる

…そろそろ新しいものにした方がいいかな

なんでだろう





すごく虚しい






医｢こんばんは、ころんくん｣


こ｢こんばんは｣


医｢今日も1人なのー？お友達さんは？｣



今日は髪の毛が耳にかかっていない
それはそれでどこか幼さを感じさせ、既視感を覚えた



こ｢今日も、1人です｣


医｢そっかぁー先生会いたかったんだけどな｣


前回のカルテが挟まっているのだろうか
バインダーを眺めながら先生は唇を尖らす



こ｢みんな、忙しいので｣


医｢そう

……迷惑かけたくない？｣


こ｢別に｣


本心を悟られまいとにこりと笑って返す


医｢……まぁ、まだ覚悟もできないわよね

今日のMRIの結果から診断結果が出ると思うわ｣


ついにか

ゴクリと喉を鳴らし先生の目を見る


医｢検査待ちの時間でまた今日の話を聞かせてね

よし!!じゃあ行きましょうか!!｣

勢いよく立ち上がった先生の後ろから看護師さんが出てきて連れていかれる


MRI…ってほんとになんなの?!?!笑




筒の中に入らされた…((
あの後血液検査も行われなんだか疲労が溜まった僕はどっかりと椅子に座っていた


医｢お疲れ様〜
んじゃ、今日の日付からいこうか｣


こ｢…5月23日？｣


医｢じゃあ次｣


その答えがあっているのかは教えてくれない
何故なのかは分からないが、必死に先生の顔を見て正解か不正解か読み取ろうとした


医｢…はいっ、以上です
残りの時間は学校のこととか色々教えて？｣


こ｢…今度中間があります｣


医｢へぇ、何日なの？｣


こ｢さぁ…？｣


手で分からないとジェスチャーすると先生はくすりと笑った


医｢ころんくん、学校でもそんな感じ？笑｣


こ｢ま、まぁまぁ…笑
笑わせるの好きなんで｣


医｢そうなんだ、優しいのね｣




優しい…か






看｢先生MRIと血液検査の結果が出ました
確認お願いします｣

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