小悪魔と俺 (ページ15)

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『じゃあいってくんね』

｢行ってらっしゃい！｣

ツアー初日を明日に控えた俺は朝一の便で
地方に向かう予定で昨日から泊まってた
Aに見送られて家を出たんだけど
めちゃくちゃ満面の笑みで送り出されて、

ちょっと複雑なんすけど。

もちろん泣かれたりしたって行かなきゃ
なんねーしどうしようもできないんだけど
ちょっとは寂しいとか思ってくんないのかな、
なんて。

まああいつがそんなこと思うわけないか。

最終のリハを終えてメンバーと飯食って
ホテルの部屋に帰ってきたのが22時過ぎ

風呂でも入ろってかなって思ってるとこに
AからのLINEがきた

"れお起きてる？"

"起きてるよ"

すぐにつく既読に着信画面に切り替わる

『もしもし』

｢もしもしれお？｣

『うん玲於だよ。
電話珍しーね、どうしたの？』

｢あのね、仕事終わってね、ご飯
つくったらね、作りすぎちゃって。
れおにおすそ分けしよーかなって
思ったらいないんじゃんって。
そう思ったらものすごくれおに
会いたくなっちゃって、
いまれおの家に向かってるところ。｣

『は？行ったって俺いねえーよ？
それにいま何時だと思ってるの？
こんな時間に外出歩いたら危ないだろ』

｢うん、だけどねれおの匂いがするベット
じゃないと今日は眠れない気がして。
だかられおのベット貸してね｣

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