そのモブキャラ、1級術師です。【ブルーロック×呪術廻戦】 (ページ16)

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episode13〜？視点〜ページ16

小さいの頃の話。

もう忘れていることが殆だがこのことだけは明確に覚えている。

俺は小さい頃から他の奴には見えない黒い霧みたいなのが見えていた。
ハッキリ視えるようになったのはつい最近のことで、そいつらはものすごく気持ち悪い姿をしてる。

三目のやつや一つ目、足が何本もある奴もいれば腕が一本だけの奴もいる。
ホラー映画に出てくる奴よりも不気味なソレ。

小さい頃ソレが視えていることを相手にも勘付かれて一度捕まりかけたことがあった。

その時、助けてくれたそいつ。
今、何処で何をしているのかも分からないそいつ。
名前すら知らないそいつは、一瞬で俺の心を奪っていった。

それまで、一目惚れと言うやつを信じていなかったが、信じざるを得なくなった。

俺よりも一回りくらい小さい体。
顔にくっついている綺麗な顔のパーツ。
狐みたいに細くて横長い目の奥には灰色の眼球が埋め込まれていた。

何よりあの微笑。
子供らしい無邪気な笑みではない、心の底から笑ってるわけでもねぇ。
まるで貼り付けたように、不自然な微笑。

そのとき、俺は気付かなかったけどあれは本気で笑っていなかった。

ありがとう、のあの字も言わせないような雰囲気に俺はただ喉に出てくる言葉をそのまま飲み込むことしか出来なかった。

“大丈夫？怪我は…してないね。”

今すぐにでも消えてしまいそうな声でそいつは俺(だけど、まるで虚無を見ているようにも見えた)を見ながら話し始めた。