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episode10 ページ12

「こっち見ないで!この化け物が!」


「お前なんか俺の家の人間じゃない!」


「同じA家の人間としての恥だよ。お前は!」


「ほんと、何のために産まれてきたんだよ。」


「あんたなんか生むんじゃなかった。」


痛い。痛いよ。
打たないで。冷たい目で見ないで。
軽蔑しないで。引っ張らないで。
叩かないで。水をかけないで。


でも何時からか急にどうでも良くなった。
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パチッ
朝から最悪な夢を見た。
急に自分の昔のことを夢で妙にリアルに再現されるなんて誰も予想なんて出来ないだろう。


『…吐きそ。』
まだ子供の頃のトラウマが体に染み付いているのか度々この夢を見て嫌悪感で指が震える。
まだ箸より重いものを持ったこともない時に植え付けられたトラウマ。
それは思ったよりも早く、でも確実にあたしの奥底に根を張っていた。


「あ!Aちゃんおはよー!昨日はほんとお疲れ様ー!寝たの多分2時半位だよね?」

朝から元気な七音ちゃんは寝起きの悪いあたしに取ってはハイカロリーな見た目だった。

『うん、おはよー…』
低血圧のせいだろうか、耳鳴りと頭痛が酷い。
ただでさえ夜型だし、基本昼夜逆転してるし負担が重い。


『準備しよっか…』
と言ってジャージをのチャックを開けた。
七音ちゃんが物凄く顔を赤くしてこちらを見ているが。


『どったの』

「えっと、ふ、腹筋…割れてるんだね…。しかもシックスパック。」

…変態か?
最初に出てきた感想が其れ。

『…なにそれ。』
ふ、と吹き出してしまう。

さて、行きますか。

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作者名:メレンゲドール | 作成日時:2023年10月8日 21時

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