episode9 ページ11
pururururu…
少し呪いの血で紫色になった電話から音がする。
表示された相手の名前を見ると星だった。
星は同じ3年で、秤より仲が良い。
特別仲が良いわけではないけど。
『もしもし。星で合ってる?』
[うん。私だよ。Aだよね?]
電話越しに少しフィルムがかかったような星の声が聞こえてくる。
相変わらず男にしては高い声だ。
『どうしたの?星から電話なんて珍しいじゃん。』
[金ちゃんが…、…になっちゃったの。]
『え?ごめんこっち電波悪いからもう一回。』
[金ちゃんが、停学になっちゃったの…!]
え゙、ゑ?
『なんで?』
この言葉を発してからハッとした。
そうだった。秤のことだ。
何したっておかしくない。
うん、なんか常人じゃ思いつかないことしたんだ、違いない。
予想通りぶっ飛んだ返答が帰ってきた。
[百鬼夜行で保守派の人と揉めて暴力沙汰になって]
予想通り、いやそれ以上のヤンチャな事をやらかした秤にため息が溢れる。
『期間どれくらい?』
[まだ分からないんだ]
『盛大にやらかしたね。』
『…で、星が電話してきた理由ってソレじゃないでしょ。』
電話越しに星が動揺したように息を飲み込む音がする。
[Aは鋭いね。]
『普通でしょ。真逆、星も学校行かないとか言わないよね。』
[…BINGOだよ。そう、私も学校行かない。]
真逆の図星。
まぁ彼女張ってるくらいだし。
その位秤のこと
『好きなんだね。
いいじゃん、星が決めたんだし、あたしは応援するよ。』
友達、だもんね。
という言葉は閉まっておこう。
[ありがとう。じゃあ]
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作者名:メレンゲドール | 作成日時:2023年10月8日 21時