あふれて、こぼれて (ページ5)

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SB「いいことだけ考えようよ、」

じっと心配そうに見詰める彼の瞳の中で、不安そうなわたしがいる。

嗚呼、また心配をかけてしまったと自己嫌悪。

わたしはポジティブな方じゃない、ネガティブな考えをしてしまうから、その度にスビンがこうやって声をかけてくれて、わたしが1人堕ちないようにとしてくれる。今までもずっと、その優しさに何度も救われてきた。

『ごめんね、もう考えないようにする』

こくりと頷けば、頬を摘むのをやめてくれたスビンに、そう笑ってみせたら、うん、それがいいよ。と頷いて、優しく頭を撫でてくれた。

スビンがいなかったら、きっとわたしはアイドルになることをとっくに辞めていたと思う。

わたしが練習生の頃、女の子だからと周りからはあまりいい印象を持たれていなかった。

コネ合格だとか、媚び売ってるとか、なんだとかで、些細な嫌がらせは日常茶飯事だった。

デビュー組に決まった瞬間、それは完全に妬み嫉み僻みの対象になった。

けれどもデビューさえしてしまえば、と思って必死に準備期間を過ごして、デビューしたら、今度はアンチがついた。

女はいらない、レベルが下がる、男好き、減ることのないそれに、平気なフリをしていたけれど、正直、心の中では辞めてしまおうと何度も思っていた。

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