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コンコン。
一応マナーとしてノックはするけれど、そんなものですぐに起きるスビンじゃない。入るよー、と声をかけても無言で。
がちゃり、とドアを開ければ広いベッドの端っこで掛け布団に小さくくるまったスビンの姿。
ひょこりとでている髪の毛は全体像を見なくても寝癖で悲惨なことになっていることが伺える。
『スビナ〜起きて〜』
ぽんぽんと叩いて、ゆさゆさと揺らして、布団を剥いで。
それでも「んう〜〜〜〜〜」と意地でも目を開けないスビン。
うん大丈夫、これは想定内。
『ス!ビ!ナ!起きて!朝!』
耳元でパンパンと手で音を鳴らし、大きな声で叫んで、ばしばしと叩いて。
起きてスビン、ご飯なくなるよ、わたし今日はおにぎり作らないよ、朝からレッスンなのにご飯なしでいいの?だめでしょ、ほら、スビン、起きて。
SB「ん〜〜〜〜〜A?」
ようやく目をうっすらと開けたスビンに、今日はすんなりと起きてくれたとほっとした。
『起きた?もう朝だよ、ご飯食べよ』
目を擦りながらのっそりと体を起こしたスビンを連れてリビングへ向かうと、案の定全員が揃っていた。
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作者名:Ukai | 作成日時:2020年10月1日 12時