72話-三日月side- ページ30
あれはもう200年前、丁度紗羅が生きていた時代だな
その頃、俺は当時国立美術館に所蔵され、そこの140周年記念で展示された
紗羅と会ったのはその時だ
三(展示とは退屈だな…。かと言って、蔵の中で過ごす方がもっと退屈だが…)
『お兄ちゃん、中に入って何をしてるの?』
三『む?』
『下だよー、下』(ﾍﾟﾁﾍﾟﾁ
声の通り下を向くと、そこにはその時5つか6つくらいの女児、紗羅がガラスを叩きながら立っていた
三『あなや、俺が見えるとは面妖な童子だな』
紗『わらし?』
三『子供、という意味だ』
紗『むっ!私は子供じゃないもん!この前お姉ちゃんになったもん!』
フンッと鼻を鳴らしながら胸を張る紗羅を見て俺は思わず笑った
三『はっはっは、それはすまないな』
紗『それで?お兄ちゃんは何してるの?』
三『ああ、見ての通り。俺は皆に見られている』
紗『?みんなが見てるのはこの刀だよ?』
三『この刀が俺だ。お主にわかり易く言えば…この刀に憑いている幽霊の様なものか』
紗『幽霊!?;』(ｽﾞｻｯ
幽霊と聞いて後ずさる紗羅
あれは本当におかしかったなぁ、はっはっは
月「そこはいいから!!」あなやー…
三『はっはっは、安心しろ。別に悪さはしない、するとすれば守護だな』
紗『しゅご…?』
三『大切なものを護る事だ』
紗『あ、私も護りたい大切なものいっぱいあるよ!お母さんでしょ、お父さんでしょ、あと妹も!』
三『沢山あるなぁ』
紗『あと、お兄ちゃん!』
そう言って俺を指す紗羅
三『俺もか?』
紗『だって、誰にもお兄ちゃんが見えてないんでしょ?それって寂しいんじゃない?』
「寂しい」
まさかそんな言葉がこんな幼子から出てくるとは思わなかった
紗『私もね、本当は寂しいの。お父さんとお母さんもみーんな妹のとこに行くの
誰も私を見てくれない』
三『……』
沙『でもね、その事を幼稚園の先生に言ったら
「妹ちゃんはまだ何も出来ない赤ちゃんでしょ?だから出来るようになるまで守ってあげなきゃいけないの」って言われたの』
そう話す紗羅の袖口や首元をよく見ると、打撲や火傷の跡が複数見えた
紗『だから、妹とお兄ちゃんを守る!』
三『そうか。そんな頑張り者にまじないをしてやろう』(ｽｯ
紗『わっ、お兄ちゃん出れるの!?』
三『まあな』
俺はガラスから飛び出し、紗羅の手の甲に俺の紋章を刻む
紗羅『なに?これ』
三『御守だ、これがある限りお前はこれからももっと頑張れる』
紗『よくわからないけど、ありがとう』
これが俺が紗羅を護ると決めた話だ
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ホタル(プロフ) - 希望さん» あっ…本当だ間違ってる…。ご指摘ありがとうございます！ (2016年10月30日 14時) (
レス) id: cde6d2f7b7 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - こんにちわ、コメント失礼します！誤字、と言うのかは分からないですが…74話にあった、三日月の短刀が時間が3時間になっていたんですが、実際は4時間だと思うんですが… (2016年10月30日 10時) (レス) id: f03acb2f00 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - 完結おめでとうございまっす！お疲れ様でした！！ (2016年10月5日 7時) (レス) id: a854cd6cfa (このIDを非表示/違反報告)
あける(プロフ) - 完結、おめでとうございます。とっても楽しい作品でした。続きはまだかなぁと首を長くして待っていたのでとても寂しいです。番外編も楽しみに待っています。 (2016年9月30日 18時) (レス) id: 7b77765ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ホタル(プロフ) - 桜姫さん» ありがとうございます！え、Twitter見つけれますか？www見つけたら「見つけましたよ」(ﾆﾔﾘ的なメッセージをTwitterでくださいwww (2016年8月5日 19時) (レス) id: cde6d2f7b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ホタル | 作成日時：2016年6月19日 23時
