身内贔屓だから 〜 新たな仕事 ページ36
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Sh23「どこまで本気かはわかんない。
湧梧も礼も。でも後輩たちと栗はガチだと思う」
Ys55「マジモテるやん…」
Sh23「そりゃあカメラ持って走り回って、トレーナーの仕事もしてって頑張ってる子がいたら好きになるでしょ」
Ys55「逆によくデキてないっすね?」
Sh23「安定志向なんじゃない?気まずくなるより今の距離感ってやつ」
Ys55「なるほど………」
ソフトバンクはどうやら奥手な人が多いらしい。
Aちゃんにその気がなかったのもあるけど。
Sh23「たっきーはね可愛い妹だと思ってるわけ。俺はね」
Ys55「…………ん?」
Sh23「妹には幸せになってほしいわけよ。
…俺は若干ウチの選手贔屓だからね」
Ys55「臨むところっす」
そうやって助言してくれるあたり、ちょっとばかり応援してくれてるんだろうなと。
……………もう付き合ってるんやけどね。
バレたときマジで怖いわ。詰められそう。
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「Aちゃん。ちょいちょい」
「てつろーさん?なんです?」
一日休日を挟んで秋季キャンプ第二クールがスタート。
今日も今日とて走り回っていたらてつろーさんに呼ばれた。
理由を聞いても答えてくれず、小部屋に通された。
そこに居たのは監督と和子さん。
確かに姿がないなと思ってたけど……。
え、何かやらかしたっけ?
「えっえっ?」
「とりあえず座って笑」
「あ、はい。失礼します」
「お前、この前一軍にトレーナー増やしてくれって言うとったやろ?会議して増やすことになった」
「ほんとですか!!………よかった」
「で、そのトレーナーやけど。滝川にやってもらおう思て」
「…………………わたし?」
「おう。コミュニケーションとれて選手のこともよー知っとる。選手からの信頼も厚い。俺はお前が一番適任やと思とる」
「私もAちゃんにやってもらいたい。
ずーっと見てきて、Aちゃんは広報より現場向きやなって思ったもん。
こっちの仕事は気にせんでいいから、ね?」
「…………そう言われましても」
「あ、嫌やったか?」
「いやいやいや!全然!
凄いありがたいし、一番やりたかった事なのでもちろん嬉しいんです。
あ、広報の仕事がやりたくないとかそんなんじゃなくてですね!?」
「わかってるよ笑」
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作者名:ミックーリ | 作成日時:2023年4月1日 1時