ちょっとご相談が ページ25
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「お、来た」
「ほんとにいいんですか?こんな高いお店」
「可愛い後輩じゃけえ、気にせんでええて」
「ギータさんがそう言うなら……」
やっぱりイケメンだなぁ。
顔も性格も。結婚するならこういう人だよね。
今日はギータさんに人生相談。
もちろん村上くんのことで。
相談したいですって連絡したら飯行くぞって。
さすがキャプテン太っ腹!
おふざけはここまで。
割と本気で悩んでるので、多分重くなっちゃうだろうね。
なんかほんとに申し訳ない。
「んで告白されたんやろ?村上に」
「さすがにお見通しですか………」
「あんときからこうなると思っとったわ」
「恋愛マスターかなんか?」
「わかりやすすぎるんや。
で、どうするんじゃ。付き合うんか?」
「それを相談したいんですってば!
………恋愛経験あんまりないからどうしたらいいかわかんなくて」
「好きなん?村上のこと」
「たぶん。
…………いや好きですね。一緒にいて楽しいし、何より気を遣わなくていいんですよ」
「答え出てるやん。はよ付き合わんかい!」
「でもいいんですかね?
私、一応トレーナーやないですか。球団契約の。
………………なんかまとまらんなぁ」
「ええから。思っとること全部話してみ?」
そう言うギータさんの声色と表情があまりにも優しくて、胸がギューッと締め付けられる。
こういうところが色んな人から慕われる理由だろう。
何にもまとまってないけど、思ってることを全部ぶつけることにした。
「私のイメージなんですけど、アスリートのパートナーって近くでサポートしてるなって。
でも遠距離だし。チームも違うし。
サポートする=近くにいることかなって思ってるんですよね。
私が村上くんをサポートしないのはパートナーとして最低だなって思うんです。
でもサポートしちゃったらチームを裏切るような感じがして。
ホークスが好きだから辞めるなんて考えられない。
でも近くにいないのはパートナーじゃないのかなって。
…………ごめんなさい。なんかぐちゃぐちゃで」
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「……………ほーんとアホやなぁ」
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作者名:ミックーリ | 作成日時:2023年4月1日 1時