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「さっきも言ったが、これは仕組まれた記事だ。神山を貶めるためだけに書かれたものじゃない。はっきりと断言しよう。お前を狙っている奴がいる」
「俺を、ですか」
「心当たりがないとは言わせないよ」
暗にあるんだろう。と社長に問われ、グッと息を詰めた。
心当たりなんて一つしかない。現在進行形で撮影中のあの映画で共演している女性。
もう、隠しきることは出来なかった。
「……今撮影している映画で共演している方の中に、オメガがいます。撮影に入る前の顔合わせの段階から執拗に付きまとわれました。既婚者で番持ち、なんなら神山が妊娠していることも知っているはずなのに」
「全く相手にしていないんだろう？」
「ええ。誓って作中以外で指一本たりとも触れたことはないです。ですが……」
「ですが、何かな？」
「……」
「黙り込まれてもわからないよ。僕は君たちを守りたい。ただそれだけなんだ」
教えてくれないか、真相を。
頼む、と社長が頭を下げた。慌てて顔を上げてほしいと声を掛けるが、社長はしっかり数秒間頭を下げると、真っ直ぐに俺を見抜いた。
覚悟を決めた目だった。俺もまた腹を括る。脳裏に浮かぶともの笑顔を守れるのは、自分しかいない。それは自惚れではなく、事実だった。
「当初僕は、キーパーソンとしてその映画にキャスティングされたと聞いていました。ですが、食事会場に到着すると、今作の監督からキャスティングを変更してヒロインの相手役を務めるよう言われました。食事会にはオーディションを勝ち抜いたという件の女性と、若手俳優、そして今作の監督、そして僕の四人だけが参加していました。ヒロインを務める女性は、オーディションでも何でもなく監督の姪っ子で、その方がえらく僕を気に入っているようでした」
「キャスティングの私物化、か」
社長の言葉に一つ頷き、続きを話す。
「これはあくまでも僕の推測です。多分、この映画を撮るうえで行われた公開オーディションですが、やらせじゃないかと思っています。既にキャスティングは決まっていて、けど、世間の目を欺くために開かれたんじゃないかと。そして、女性は俺を指名した。だから当初決まっていた役を変更し、相手役に命じた」
「なるほどなぁ……だとしたらこちら側に虚偽のオファーをしたということにもなるのか」
社長が人差し指でトントンと机を叩く。
沈黙の中、不意にその音が止まった。
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もち - 続きが気になります🥺 (2021年11月26日 6時) (
レス) @page22 id: e736566183 (このIDを非表示/違反報告)
camokinoko(プロフ) - 久しぶりの更新に嬉しすぎて声が出てしまいました！本当に大好きな作品です。せろさんのペースで、どうか無理のないよう‥ (2021年6月21日 1時) (レス) id: 636c89ef1d (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - みきさん» こんにちは。お優しいお言葉ありがとうございます。中々進まず申し訳ございません。また更新のたびに読んでいただけると幸いです。また何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました！ (2021年3月22日 0時) (レス) id: 58d899afb2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - ま。さん» こんにちは。いつもありがとございます。先ほどメッセージさせていただきました。ご確認いただき、一度試していただけると幸いです。お手数お掛け致しますが、何卒宜しくお願い致します。 (2021年3月22日 0時) (レス) id: 58d899afb2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - べりー。さん» こんにちは。いつもありがとうございます。お恥ずかしながら開設いたしました。直前でユーザー名を変えてしまったため、検索に引っかからない場合があるみたいです。見つかりましたでしょうか？もし見つからなければお教え下さい。個別にお伝えさせていただきます。 (2021年3月22日 0時) (レス) id: 58d899afb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せろ | 作成日時：2020年12月14日 0時
