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ぽん、とお腹が蹴られた。
一回だけかと思えば、再び蹴られる。すごく痛いというわけではないが、内側から蹴られるというのは今でも慣れることはない。
胎動に気付いたらしい大毅がくすくすと笑う。
「流石は俺の息子や。まだ生まれとらんのにもう俺に対抗意識もっとるみたいやわ」
「イチャイチャすんなや、じゃないの？」
「俺の息子やで？」
「何の根拠なんよ」
真顔でそんなことを言う大毅に呆れ笑うが、当の本人は本気なのか、お腹に手を当て言い聞かせていた。
「お前のオカンは俺のいっちゃん大切な人やからな。お前にいくら頼み込まれたって俺のっていうことが変わることはないんやからな」
わかったか。そんなことを言いながらも撫でる手つきは優しい。
子どものようなことを言うくせに、そういうところは年相応なの、ずるい。
起床予定時刻になるまで、俺は大毅の膝の上で大毅のぬくもりに溺れた。
ベッドから降りた俺らは、いつからか出来上がった検診ルーティーンをなぞりながら支度していた。
午前中の検診に合わせて朝食を摂り、歯を磨く。軽く髪をセットし、大毅と入れ替わりで洗面所を出れば、向かう先は残すところクローゼットのみとなった。手に取るのはマタニティ服である。
男性オメガの妊娠がある程度浸透している現代においては、男性用のマタニティ服にも種類は多くなってきた。お腹を締め付けない、脱ぎやすい、何度洗ってもへこたれない。この三拍子が大切なことを思い知ったのは、マタニティ服を着始めてからのことだ。とはいえ、やはり女性ものに比べればその数はたかが知れている。お腹が出始めたころから幾多もの専門店を訪れ吟味してきたが、思いのほか女性もののほうがフィットするので、今ではマタニティ服は全てレディースで取り揃えていた。唯一の男性用としては、靴下くらいなものだろう。
七分丈のスウェットワンピースと黒のレギンスに着替え、合わせるもこもこの靴下を抽斗から取り出す。それを片手にリビングに戻れば、皿洗いが済んだらしい、準備済みの大毅がソファに座って待っていた。隣に座り、靴下を差し出す。大きくなったお腹では靴下を履くこともままならないのだ。
「ごめんけど」
「おん。ほれ、右足からな。危ないで俺の肩に手を乗せて」
大毅の手が丁寧でありながらも無駄のない手つきで靴下を足に纏わせていく。一か月もの間履かせていれば慣れるらしい。
靴下のずれを確認した大毅が顔を上げた。
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もち - 続きが気になります🥺 (2021年11月26日 6時) (
レス) @page22 id: e736566183 (このIDを非表示/違反報告)
camokinoko(プロフ) - 久しぶりの更新に嬉しすぎて声が出てしまいました！本当に大好きな作品です。せろさんのペースで、どうか無理のないよう‥ (2021年6月21日 1時) (レス) id: 636c89ef1d (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - みきさん» こんにちは。お優しいお言葉ありがとうございます。中々進まず申し訳ございません。また更新のたびに読んでいただけると幸いです。また何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました！ (2021年3月22日 0時) (レス) id: 58d899afb2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - ま。さん» こんにちは。いつもありがとございます。先ほどメッセージさせていただきました。ご確認いただき、一度試していただけると幸いです。お手数お掛け致しますが、何卒宜しくお願い致します。 (2021年3月22日 0時) (レス) id: 58d899afb2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - べりー。さん» こんにちは。いつもありがとうございます。お恥ずかしながら開設いたしました。直前でユーザー名を変えてしまったため、検索に引っかからない場合があるみたいです。見つかりましたでしょうか？もし見つからなければお教え下さい。個別にお伝えさせていただきます。 (2021年3月22日 0時) (レス) id: 58d899afb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せろ | 作成日時：2020年12月14日 0時
