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聡「違う!!姉ちゃん、温度ミスってる!!」
聡「500wじゃなくて1500wね!?」
聡「あ、それ塩だよ!!」
家帰ってきたお母さんが驚きすぎて背中を壁にぶつけたぐらい戦場と化したいつも綺麗なキッチン。
何をするにも不器用な私は、何度も聡に怒られてばっかり。
もし聡がいないまま1人でチョコ作りをしていたら、、と考えると寒気がした。
何十回か繰り返し……
2/13の夜11時半。
さくら「取り出してっと……できたー!!」
聡「姉ちゃん……やっとできたね……」
しんどそうに椅子に座り込む彼にはかれこれ2日間ぶっ通しで付き合ってもらっている。
さくら「カタチ……汚いなぁ…」
もはや笑うことしか出来ない私の目の前に置かれているのは何とも歪な形のガトーショコラ。
聡「や、でも!!愛が大切だよ!!愛が!!」
フォローしてくれる聡が有難い。
さくら「だよね、これには私の菊池くんへの愛がたっぷり入ってるんだもん!!」
聡「そうだよ!!」
ずっと私のチョコ作りに付き合ってくれた聡のためにも頑張って渡さなきゃね。
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迎えた2/14。
いつもより念入りに髪を可愛く巻き、ナチュラルにちょこっとメイクをする。
さくら「……よし!!」
鏡の自分に向かって覇気を出したあと、菊池くん用のパリッとした紙袋と友達用の大きな紙袋を手に持つ。
聡「あ、姉ちゃんおはよう。今日頑張ってね。」
さくら「聡、ほんとに何から何までありがと。あ、これ勝利くんとマリくんと聡用のチョコね。2人に渡しといて。」
そう言ってラッピングした自作クッキーが3つ入ってる紙袋を渡す。
聡「え、姉ちゃんが作ってくれたの?」
私を驚きの眼差しで見る弟。
、、、ビックリするのはわかるけどね、うん。
さくら「まあね。」
聡「ありがとう!!」
太陽のような笑顔で応え、時間やべっと飛び出して行った彼は、いつまでも可愛い弟のままだ。
さくら(さぁ、私も頑張ろっと)
さくら「いってきまーーす!!」
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作者名:薔桜 | 作成日時:2021年8月22日 20時