ポケットの中に… -Fuma.K-

.9. 貴女side ページ9

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緊張から、店を出る勇気が出ない




商品を物色するフリして外の様子を伺う





あ…





店舗前のガードレールに


寄りかかるように軽く腰かけてるだけなのに




絵になる！


カッコいい！！





でも、そんな人が



私を好きかもなんて………




あるわけない





急いで、朝食に食べるパンとヨーグルトを選んで店を出た





A「ごめんなさい！お待たせしました」


風磨「ん、勝手に来たの俺だし、話したいって頼んだのも俺だから」


A「それでも……」
風磨「家、どっち？遅いから、送りながら話す」


A「そんなの申し訳ないので」
風磨「俺と別れた後に何かあったら、俺が後悔するから送らせて、なっ？」




いいのか…な？




段々、夢を見てる気分になってくる




A「家、こっちです」




素直に、家の方角を伝えて




覚悟を決めた





さっきの店内での話が


本気なのか、今はわからないけど


疑念だけでは、何も始まらないから





風磨「それ、何か買ったの？」


A「え？」


風磨「いや、その袋」


A「あ、これは朝食用のパンとヨーグルトを」


風磨「バイト先で買い物したら、給料返すようなもんだな」


A「それは、クルーみんなで口にしないようにしてるんです！」


風磨「なんで？」


A「切なく、虚しくなるから」


風磨「フッ、確かに(笑)」


A「だから、思っても口に出しちゃダメなんです」





こんな雑談したくて


待ってたのかな？





やっぱり、さっきのは冗談だったのかも？






風磨「あの、さ………」


A「はい？」


風磨「あー、どうして、この時間にバイトしてんの？

女子ならもう少し早い時間の方が帰りも危なくねぇし」


A「私、一人暮らししてるので、生活費の為に、時給のいい夜間に働きたくて」


風磨「そうなんだ………いや、心配でさ！この時間、人通り少ねぇし」





優しいな…





思わず、横顔に見とれてしまった




A「私みたいなのを襲う人なんて、いないから大丈夫ですよ」


風磨「危ねぇから！絶対ダメだし、そんなの！っていうか、俺なら襲うから！」


A「え！？」


風磨「え！？違うっ！なんて言うか、言葉の綾で……俺、何いってんだ///


とにかく、そういうんじゃなくて」




動揺してる菊池、風磨さんが



とても、可愛く見えた




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