オレンジ リターンズ２ Kento.N

１０話−2 健人side ページ7

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Aから差し出されたLINEのトークを全て読んで




固まった




最初に届いたトークには、俺の名前を出さなかったのに



次のトークには出して来てる




Aが、返事で『彼』というキーワードをスルーしたから



『彼＝中島健人』




それを、わかってるんだぞ！ってアピってる感じ





A「私、どうしたらいいかな？聞かれたら、どう答えたらいいんだろう…」




Aが、不安そうな顔で俺を見る




確かに、バレたのはまずい





入社より付き合ってたのが先とはいえ


所属レーベル会社の、ましてや制作部の人と付き合ってる事がバレたとなると



マスコミという名の世間は



事実をねじ曲げて、面白おかしく報じてしまう






でも、中田さんがバラす事は考えられない


そんな事したら、売り上げに響くこと


中田さんはよくわかってるから


会社の不利になる事をバラすはずない







とにかく



俺はAを



Aとの関係を守りたい






中田さんの見間違いって事にして


とぼけるのか




Aの側に俺が居る事を認知してもらって


Aの事は諦めてもらって、仕事を変わらず続けていくのか






どうすることが、正解なんだろ？





健人「A、今日まで仕事休んでもらっていいかな？」


A「え？」


健人「俺自身、答えが見つからなくて……風磨に相談してみるから」


A「うん……迷惑かけちゃってゴメンね…」


健人「Aは、熱が下がらなかった事にして？」


A「うん、出勤時間に合わせて会社には連絡する」






A、ずっと不安げな顔



少しでも早く


元気なAを取り戻したいのに


次から次へと何なんだよ…





健人「A、大丈夫だからそんな顔しないの(ﾆｺｯ」



頭を撫でて



Aの後ろに座り直して



背中から抱き締めた




健人「ちゃんとAを守り抜く！だから大丈夫…」





同時に、自分にも言い聞かせる





健人「さっきの中田さんとのトーク画面、スクショして俺に送って？」


A「どうするの？」


健人「風磨にも見せて、解決策見つけてくる！」


A「うん」





Aとずっと一緒に居たいから




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