オレンジ リターンズ２ Kento.N

９話−5 貴女side ページ5

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『良かったな！

ただ、頑張らなくていいから！
自然体でいけ！』




その返事が風磨くんらしくて



元気をもらって、心の中で笑っていたら





LINEの通知音がまた鳴った





中田 勇人
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

熱、大丈夫か？
俺のせいかな？

笹野の彼に余計な心配かけて、仕事で支障をきたしたらいけないから、見舞いは諦めた

笹野が、彼と住んでるとわかって、大人げない事をしてしまった、申し訳ない

社会人としてのけじめはつけるから、体調良くなったら安心して出勤してこい！







中田さん………私の彼って



健人くんの存在に気づいてるの？



しかも、一緒に住んでる事まで……






既読つけて無視するわけにもいかないと思って



返事を打ち始めた




ただ、何と打っても



彼の存在について触れないようにするには



不自然で



かと言って、中田さんがどこまでわかっているのかがわからないから



打っては消し、打っては消しの繰り返し





数十分かけて打ったメッセージは





『今日は、体調を崩し突然休むことになり、ご迷惑おかけしました

申し訳ありません

中田さんのお気持ちは、ありがたいのですが、私は中田さんを上司として尊敬しています
今後とも、ご指導よろしくお願いいたします』





夕べのキスにも、彼の存在の話にも触れず



今後の仕事に差し障りない言葉を選んだ




あとは、これまで通り上司と部下の関係でありたいと願ったのに





『早急に答えを出す必要はないよ
長い人生、何があるかわからないだろ！

笹野が中島くんと一緒に住んでるのに驚いて、余裕を失ってしまったのも、何があるかわからない人生の一つだから』






その返事に愕然とした




私と健人くんの関係が知られてしまった





中田さんに、家に送ってもらったこと



今さら後悔しても、時間は戻せないけど




そのメッセージに、なんて返せばいいのか



どうして健人くんと住んでるのがバレてしまったのか



とぼけることも出来なくて




私一人で勝手な返事は出来ないから



既読スルーした




朝一番、健人くんに相談しよう





健人くんに迷惑はかけたくないけど



健人くんの側にずっといたい





左側から、健人くんの寝息がかかって肌に温もりを感じる



この幸せを守りたい




幸せそうな顔で眠っている健人くんの腕の中で




一人、不安で眠れない夜が過ぎていった




to be continued…

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