オレンジ リターンズ２ Kento.N

１５話−3 貴女side ページ34

・




A「早速、始めたいと思います」


准弥「よろしくお願いします」


中田「二人とも、肩の力を抜いて！ガチガチだよ(笑)」


准弥「緊張が半端なくて(笑)」


A「私もです(笑)」




中田さんのお陰で、笑いがおきて和やかな雰囲気になった





それからは、リラックスした雰囲気で打ち合わせを進めて




ジャケットのイメージやデビュー曲以外の収録曲の選曲、レコーディングの日程を話し合った





A「今日の打ち合わせは以上になります

何か、伝えたいこととかありますか？」


准弥「…………いえ、大丈夫です」




少し間があったような気がしたけど



大丈夫かな？




A「では、今日はこれで終わりです」


准弥「ありがとうございました、よろしくお願いします」





准弥さんは、深々と頭を下げて打ち合わせ室を出ていった





中田「初めてにしては、上出来だったと思うよ」


A「本当ですか！？

でも、中田さんが緊張を解いて下さったお陰です」


中田「企画書も丁寧にまとめてあるし、この調子で無理せずに進めていけよ」


A「はい！ありがとうございます」





企画書は、中田さんの意見もだいぶ入れて、アドバイスもらって作ったから


私には、まだまだだと思ってるけど…





制作部のオフィスに戻って、打ち合わせ内容をパソコンに打ち込んで



報告書を作って



終わって時間を見たら、とっくに退社時間を過ぎていた




でも、仕事が楽しくて充実感でいっぱい






いつも通り、電車に揺られて


駅近くのコンビニで翌朝用のパンを買って


部屋に帰る





A「ただいま……」






部屋には、生活していた時のままの健人くんの荷物



まだ、荷物にまとめる事も出来ずにいる






壁にかけてあるシャツやジャケットも


洗って、綺麗に畳んだままの下着も


洗面台の歯ブラシも


健人くんが読んでた本も





場所を変えずに置かれたまま





A「健人くん、忙しいんだろうな……」







シャツに手を伸ばしたら




ふわっと健人くんの匂いがした





A「会いたい………健人くんに会いたい」





健人くんにたくさん話したい事があるんだよ






ご飯、少しずつだけど食べれるようになったの



仕事頑張って、担当についたんだよ







A「会いたい………」






-ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ




着信音が鳴り響く




こんな時間に誰？




・

１５話−4 貴女side→←１５話−2 貴女side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す