オレンジ リターンズ２ Kento.N

１３話−4 貴女side ページ25

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会うと決心が鈍るから



メールで別れを突きつけたのに




突然鳴ったインターホン




健人くんなのは、すぐに分かった




でも、メールで一方的に別れるなんて許される事では無いってわかってるから




話をしようって言う健人くんの言葉で





扉を開ける




顔を見たら、別れられないから




ずっと背中を向けてた




でも、健人くんにはメールの嘘も見破られていて




私たちは





お互いを守る為に





別れを選んだ





背中に感じる健人くんの鼓動





それが離れて行く




今朝は、同じように背中から抱き締められて幸せだったのに




同じように抱き締められて、こんなに悲しいなんて……






もう、振り返る事も、見送る事も出来なかった





健人「ちゃんと、ご飯食べなきゃダメだよ………約束」





その一言を残して






扉の閉まる音がして




背中を見送りたくて追いかけたけど




扉の前まで来て




足音が聞こえなくて




もしかしたら、健人くんはまだそこにいるんじゃないかって……





そしたら、一番言ってはいけない言葉





A「健人くん、愛してるよ」





言ってしまった





そしたら





『俺だって、愛してるよ………』





って、聞こえた





健人くんも、私も同じ想いなのは変わらない





それが分かったから……






やっぱり涙は止まらなくて





扉の前に座り込んで泣き続けた








どれくらい経ったのか




健人「A………ごめんね…」





って、健人くんの言葉が聞こえて





少しずつ遠ざかる足音




その音は、本当にゆっくりで





引き留めたくなる程で







A「健人くん………行かないで…」







小声で呟いて




思わず耳を塞いだ







しばらく、そのまま動けなくて




その場に座り込んだままでいたら




着信音が響いた





健人くん！？




なんてあるわけないのに



微かな期待を抱いて



ポケットのスマホを手に取って画面を見ると



スマホの画面には





−菊池 風磨−の文字




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