オレンジ リターンズ２ Kento.N

１３話−3 健人side ページ24

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風磨「中島」


健人「悪い………別れたショックで、なに言ってるのか、自分でもわかんねぇわ」


風磨「乗り越えろ！」


健人「……簡単に言うなよ」


風磨「簡単に乗り越えなくていいから」


健人「……難しいって(苦笑)」






風磨の存在を嬉しく思う




こんな時に、心を軽くしてくれる大事な存在に…






じゃあ、Aは？




俺との関係を誰にも話せなかったAは？




誰が支えてくれるの？





Aにとって話せる存在…






健人「風磨、Aに電話してあげて！」


風磨「俺がしていいの？」


健人「Aが、話せるの風磨だけだから……」






俺もAも



風磨しか居ない







風磨「わかった」


健人「あのさ！」


風磨「ちゃんと、飯食うようにだろ？」


健人「………よく、わかったな？」


風磨「お前の考えてる事はわかんだよ」


健人「それと、俺の荷物」





改めて引き取りに行くって言ったけど




あの部屋に行くのが怖い




今、胸を締め付けられてるこの痛み




もう一度あの部屋に入ったら




同じように胸を締め付けられて




もう二度と、部屋から出られなくなりそうで




健人「風磨が受け取りに行ってもらえないかな？」


風磨「それは、今すぐに返事するのは止めとく」


健人「どうして？」


風磨「まずは、Aが心配だから電話切るわ」


健人「そっか………だよね………Aを頼むわ」


風磨「あっ………Aの様子、報告した方がいい？」






知りたいけど




俺が別れを選択した結果でAが苦しんでるのに




聞いて、何をしてあげられる？




何もしてあげられないなら




知らない方がいいのかな……





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それでも……？







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健人「いや、いいよ………聞いたら、駆けつけたくなる」


風磨「わかった、じゃあ切るわ」


健人「風磨……ありがとう」


風磨「おう、気をつけて運転しろよ！」


健人「あぁ」






通話を切って



Aの部屋を見上げる





健人「A…………サヨナラ……」






直接言えなかった言葉を吐き出して




車を出した




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