オレンジ リターンズ２ Kento.N

１３話−2 健人side ページ23

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どんな時も




どんな事があっても




ずっと側にいて



守ってあげるって



言ってあげられなくて






健人「A………ごめんね…」






扉の向こうで泣いてるAに



何もしてあげられない





もう、ここを離れなきゃ……





ゆっくりと



足を前に出す




その一歩は確実にAから離れていって




悲しみしかなくて



別れる事でしかAを守れない自分が情けなくて




泣く資格もないけど




涙が視界を奪う






でもね、A



多分、俺





やっぱり一生





Aしか愛せない





側に居られないってわかってても





Aだけだから





愛してるのAだけだから







いつか守れるようになる日が来るまで待っててなんて




先の見えない都合のいい言葉は言えなくて





弱い俺は、『サヨナラ』って終わらせる言葉も口に出来なかった





-ﾌﾟﾙﾙﾙ ﾌﾟﾙﾙﾙ







車に乗り込むと同時に鳴る着信音




風磨？




画面の通話ボタンをタップした






風磨「中島、今どこ？」


健人「……風磨………ｯ………俺さ………A愛してん……だよ…ｯｸ…」


風磨「わかってるよ………お前もAも、愛し合ってんのわかってるよ」


健人「なのに………こんな風にしか守ってやれないって………俺、今さ……」


風磨「何？」


健人「……本気でアイドル辞めたい」


風磨「中島………」





言っちゃいけない言葉だってわかってる




それが、メンバーにとって、どんな酷い言葉かって





風磨「じゃあ、辞めるか？」





え？





風磨「辞めたいなら、辞めろ」


健人「風磨、マジで言ってんの？」


風磨「辞めたいんだろ？」





もし、辞めたらAと一緒に居られる？




風磨「ただ辞めたら、中島を守る為に別れを選んだ、Aの思いを無駄にするだろうけどな」


健人「…………それは」


風磨「Aと居たいから辞めたなんて事になったら、結局、Aを晒すことになる」






どちらにしても、俺はAと一緒になれない運命なのか…




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