オレンジ リターンズ２ Kento.N

１２話−6 健人side ページ21

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健人「Aの嘘つき」


A「……離して…」


健人「俺との愛を守りたいって言ったのに、どうして一人で別れを選んだりするの？」


A「それは……メールにも書いてあったでしょ？」


健人「中田さんの事、なんとも思ってないって言ったのに、翌朝には大人の人に憧れちゃうんだ」


A「だって………



健人くんを守りたかったの！


私には、このやり方しかわからなかったから………」






Aが、本当の思いを口にしてくれた




メールに並べた嘘じゃなくて




Aが、俺の為にした決心






健人「ありがとう



Aの気持ち嬉しいよ






だからね……









俺も、Aを守りたいから







・








別れる決心してきたよ………」





これが俺の決心




Aを晒し者にだけはしたくないから




俺も、このやり方しかわからないから





Aのこらえていた涙が嗚咽に変わる





俺も声をあげて泣きたい……




でも、Aの前でだけは気丈に振る舞っていたい





Aに最後に見せる姿が泣いてる姿なのは




かっこ悪すぎるから





健人「荷物は、改めて取りに来るから」




Aから、そっと離れた




玄関の方に歩き出す




長くここに居ると決心が鈍りそうで




靴を履いて




もう、後ろを振り向く勇気なんかない





見送ってくれてるのか




まだ、背中を向けてるのかわからないけど





どんな顔して、立ってるかわからないAに







健人「ちゃんと、ご飯食べなきゃダメだよ………約束」





泣かないように





一言だけ告げて









ドアを閉めた







そのまま、足が動かなくて



ドアにそっと寄りかかる









健人「別れ……ちゃった………ｯｸ……」







その時、確かに聞こえた




ドアの後ろから涙声で






『健人くん、愛してるよ』って







健人「俺だって、愛してるよ………」





永遠にAだけを




to be continued…

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