オレンジ リターンズ２ Kento.N

１２話−3 風磨side ページ18

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風磨「中島！目を覚ませ！Aと別れるって、意味分かってねぇだろ！」




一緒に居て守ってやればいいじゃん！



立場ってなんだよ？



そんなものの為に



繋いでる手を離すのか？






健人「風磨……一緒に来てくれてありがとう」


風磨「まだ、何の解決もしてねぇわ！」


健人「風磨、行こう……」


風磨「……行くなら一人で行け




中田さんと話したいことがある…」


健人「分かった……じゃあ、行くわ…」





中島は、そう言って静かに打ち合わせ室を出て行った




中田「俺と話したい事って何？」


風磨「中島とAの事です」




どう考えたって


中田さんが自分の為に言葉巧みに言ってるとしか思えねぇ




風磨「あの二人、小学校からの同級生で、その時から想い合ってたんです」


中田「それで？」


風磨「でも、Aの転校で離ればなれになって、それでも、再会する事が出来て今があるんです！」


中田「そうか…でも、年数は問題ないんだよね

世間にバレた時に、その純愛に目を向けてくれる人は、ほとんど居なくて

晒された本人は、叩かれるだけ叩かれる」


風磨「それは、周りの俺らが守ってやればいいんじゃないですか？」


中田「ずっと、一緒に居られるの？自分たちも追われる立場になるのに、笹野まで守ってやれる？

中島くんは、事務所が守ってくれても、一般個人の笹野は、一人で戦わなくちゃいけなくなるんだよ！

所属タレントと問題になれば、社内での笹野への風当たりも強くなる

守るって言葉で簡単に言っても、容易い事ではない」





ガツンと頭を殴られたような感覚



俺の考えは甘いのか？



そんな深い事まで考えなかった






中田「ただ、ずっと気になってる事があるんだけど、どうして菊池くんが笹野の名前を呼び捨てだったり、そんなに気にかけるの？」





それは………





風磨「中島の前に、Aと付き合っていたのが俺だからです」





メンバー以外に、この事実を話すことはないと思ってた




中田「菊池くんの笹野に対する反応が恋愛感情に見えたのは、やっぱりそういう事だったんだね」


風磨「今は、大切な友達です」





俺は



Aが幸せでいてくれれる事を



それだけを願ってるんだよ




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