オレンジ リターンズ２ Kento.N

１１話−2 貴女side ページ12

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中田「長居はしないつもりだけど、せっかくだから！」




中田さんは、キスの事なんてなかったみたいにいつもの感じ




グラスをとって立ったまま飲み干した





中田「LINEでも送ったけど、仕事場には恋愛は持ち込まないから、熱が下がったら出て来いよ！」


A「はい……ご迷惑おかけして申し訳ありません」




仕事に対してのプライドが高い方だから



この言葉に嘘は無いと思う




中田「今は、仕事中ではないからどうかと思うけど、言っておきたいことがある」


A「なんですか？」




何だろう？



怖くて鼓動が早くなる





中田「中島くんとの関係だけど」


A「はい」


中田「これから話すことは、俺の感情抜きにした話だから」




一体、なに？




中田「俺は、売り上げに不利になることは口外しない」





ホッとした



健人くんとの関係、守っていける





中田「俺たちの会社は、売るための努力をして、売れた分が利益になって、従業員の給与になるだろ？」


A「はい」


中田「その為に、何度も打ち合わせをして、企画を練って、相互で良いものを作り上げてる」


A「これまで、たくさん学んできました」


中田「なら解るよな？」





え？



どういう意味？





中田「俺たち制作に関わる裏の人間が、表に立つタレントさんと個人的な関わりを持っているのがバレたらどうなるか」





それは……



どうしろってこと？




中田「今、自分が置かれてる立場を考えたら答えは簡単だな？」





健人くんと



別れろってこと……？





中田「俺がバラさなくても、いつ誰が見てるかわからないんだよ！この前の夜、俺が見たみたいに」





確かに…



今回は、中田さんだったけど



もし、マスコミだったら……




健人くんは、メンバーや事務所に迷惑かけて



うちの会社にも迷惑かける形になる





私も、会社だけじゃなく


同じように健人くんの事務所や


風磨くん、勝利くん、聡くん、マリちゃんに迷惑かけちゃうんだ





中田「中島くんと、よく話し合ってみて？」




話し合う？



大好きなのに


愛しているのに


別れましょう……って？







中田「そろそろ出社だから行くけど、笹野が休む事は伝えとくから」


A「……お願いします…」




何となく耳に入って来た言葉に返したけど




ドアの閉まる音は、もう耳に入らなかった




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