オレンジ リターンズ２ Kento.N

９話−2 貴女side ページ2

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風磨くんが出て行って



私は、久しぶりに熟睡した気がする




LINEの通知音が鳴るまで


一度も目を覚ますことなく眠っていたから







菊池 風磨
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

中島に全部話した

伝えたい思いは、言葉にして言わないと伝わらない

心配しないで中島にぶつかれ

こっち出たから、もう少ししたら帰ってくると思う








風磨くんから届いたLINEを読んで


健人くんが全てを知ってしまった不安もあったけど



『言葉にして言わないと伝わらない』



風磨くんの言葉に勇気づけられて





帰ってくる健人くんの為に


夕飯を作ろうとキッチンに立った





間もなく


健人くんは帰って来て


いきなり私のこと抱き締めた







切なく苦しそうに謝る健人くんの声、言葉の一つ一つ




健人くんの腕の中の温かさが





私の不安と悲しみを拭っていく





『Aの夢は俺の夢だから』





そう、健人くんが言ってくれたから





これだけは私から切り出さなきゃいけないこと




A「健人くん………私、中田さんにキス」
健人「それも！……風磨から聞いた…」


A「私に隙があったのかもしれない…

部署も同じだから、これから先も一緒に仕事しなきゃいけない

けど、私、中田さんの事、何とも思ってないから！

いつだって大好きで、愛しくて、愛してるのは、健人くんだけだから！




信じて……くれる？」




私の健人くんに伝えたい想い



ちゃんと言葉にした




でも、健人くんからはすぐに返事がなくて



少し沈黙が続く





健人くんの抱き締める腕の力が弱くなって




私の右手の小指に


健人くんの小指が絡まった




健人「信じるよ、約束する」




そう言って、絡めた小指を持ち上げた




健人「でも俺、Mr.ジェラシーだから妬きもちやくけど許してね(ﾆｺｯ」


A「健人くん………」





わざと冗談っぽく言って私の心を軽くしてくれる優しさに




涙が零れた




健人「A、涙で顔がグシャグシャ(笑)」




健人くんが私の涙を拭ってくれた




A「健人くんもだよ」




お返しに、私も健人くんの涙を拭った




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