オレンジ リターンズ２ Kento.N

９話−1 健人side ページ1

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仕事終わって、真っ先に着替えて控室を出た




考えるのはAの事だけ






ごめん…




ごめん…




ごめん…




A、本当にごめん






その言葉を早く伝えたくて



家まで、どんな風に運転してきたかもわからないぐらい




頭の中はAに伝えたい言葉がリフレインしていた






急いでドアを開いて





健人「Aー！」





大声でAの名前を呼びながら部屋に入ると






A「健人くん……おかえり」






キッチンに立って、夕食の準備をしてるA





A「ちょっと、寝すぎちゃって、準備が遅っ」
健人「そんなのいいよ！」






Aが言い終わらないうちに抱き締めた







健人「そんなのいいんだよ………」







改めて、腕の中のAが本当に痩せ細ってるのを実感して




あの時、簡単に片付けた自分が情けなくなって



悔しくて




こんな体になるまで頑張ってたAに



傷つける言葉しか言えなくて







健人「A、ごめん

本当にごめん……

俺、自分の事ばっかりで、Aの異変にも気付いてやれなくて………俺………」





涙が溢れてた







A「違うよ！約束破ったのは私…」


健人「え…？」


A「何かあったら、必ず全部話すようにしよう！って、あの日、屋上で健人くんと約束したのに……」


健人「俺が……頼りないから………」
A「それは違う！私が弱かったの……」





間髪入れずにAが言った言葉





−私が弱かった−





俺だって、強くなんかない




簡単に不安になるし


すぐに迷って見失う




健人「それでも、俺が最初に気付いてやらないといけなかったんだよ……


俺、Aの彼氏だよ？情けないじゃん……こんなに側に居るのに……」





かっこ悪いけど


Aの前で涙を流しながら


自分の思いを口にした





健人「思ってないから」


A「……え？」


健人「『頼んでねぇ』なんて、１度も思ったことないよ

Aが、頑張ってるから俺も頑張れたし、Aの夢は俺の夢だから」




いつも、そう思って過ごして来た




Aと一緒に…




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