甘ったるいキャンディはいかが【短編】 (ページ14)

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水溜りボンド:カンタページ14

｢カンタくん？｣

ひょこっと部屋の入口から顔だけ覗かせた彼女。

｢うん？｣

パソコンに反射して見えるその顔を見て振り返ることなく返事をする。

｢今時間あるかな…って思ったんだけど編集やってるみたいだしやめとく｣

ぼんやりとうつる反射した顔はしょんぼりとして、彼女はくるりと背を向けた。

｢ちょっと待って！｣

慌てて引き止める。

｢どっか行くの？？なら送ってくけど…｣

｢いや、その、えーと一緒に行けない…かな？｣

うつむき気味に小さな声でそう言った彼女の顔はよく見えないけれど、

長い髪の隙間から見える耳は真っ赤になっている。

｢あ、いや、忙しいならいいんだよ！トミー誘うから…｣

手をブンブンと振って立ち去ろうとする彼女。

立ち上がり、その手を優しく掴んでドアを開けた。

｢さ、どこに行くのかな～｣

トミーの名前が出たことに嫉妬しちゃうとか、

俺、ちょっと心が狭いみたいだ。