【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ9)

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楽しいランチタイムページ9

「ヒョン、何それ」
「Aの昼飯」

図書室のいつもの席でお弁当を広げると、私の前にポンと置かれた紙袋。

「私の分、ここにあるんですけど…」
「それは俺がもらう」
「は？なんで」

向かいに座るヤンくんが眉間に皺を寄せた。

「俺の昼飯食ったら、食いきれないだろ」
「じゃなくて…なんでAさんの分をヒョンが作ってくるの」
「何でって、Aが俺の飯また食べたいって言うから」
「え」

ん…言ったっけ？
まーあのレベルの料理をまた頂けるなら、食べたいとは思うけど。

「また…？」

ヤンくんが私を薄目で見てくる。

「この前作った時に言っただろ」
「それ、り…ニキじゃないんですか」
「そうだっけ」
「ちょっと」

ヤンくんを見ると、明らかに不機嫌な顔。

「どういうこと？もしかしてジェイヒョン、Aさんの家に行った？」
「まあね」

ドヤ顔してるジェイ先輩にヤンくんの表情管理が…

「酷い…」
「え、私…？」
「前に家に行きたいって言ったら、Aさん断ったじゃん」
「あ」

気まずくなった私は目の前に置かれた紙袋をヤンくんの方に押し出す。

「あ、これあげる…美味しいよ？」
「ヤー、Aのだし」

ジェイ先輩が紙袋を掴んで元の位置に戻そうとする。

「貰う」
「え」

すると目にも止まらぬ早業で、紙袋を奪うヤンくん。

「返せよ」
「僕が貰ったんだから、僕のです」

目の前の争いを無視して、私は自分が持って来たお弁当箱を開けた。
今日は朝抜いちゃってたから、お腹空いてるんだよね…
待ってられん。

「あ、ホラどーすんだよ。Aが食べ始めちゃっただろ」
「じゃあ、これ返します」

ヤンくんが急に紙袋から手を離す。
収まりよくジェイ先輩の手に紙袋は戻って来た。
めでたしめでたし。

「せっかく作って来たのに…」
「じゃあ半分こしましょ」

私がそう言ってお弁当箱を差し出すと、ジェイ先輩は嬉しそうに微笑む。

「…はぁ。何でこうなるかなー」

反対にヤンくんの機嫌は治らない。

「あの…良かったら、今度遊びに来る？」
「え、いいの？」

ヤンくんの顔が一気に明るくなる。
むしろ早く来て、ウチが綺麗なの今だけだし。

「いつにする？」
「は？ヒョンは呼ばれてないでしょ」
「ニキにも呼ばれてるから、行かないと」
「じゃあ別の日にしてよ」

いや…何で別日なの。
一緒に来てよ。