【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ42)

今日:49 hit、昨日:49 hit、合計:15,121 hit

離れた距離ページ42

それから、ヒスンさんからジェイ先輩とは元サヤ？に戻ったと教えてもらった。
そして、練習生に戻るという話も聞いた。
なので今の私は、学校とお店の往復がメインの毎日。

「ソンフニが来なくなって…楽しみが一つ減っちゃったよ」
「早く良くなって、水曜日を復活させれば良いじゃん」

向かいでまかないご飯を食べる私にお祖母ちゃんがため息を吐く。

「せっかくソンフニとあんたをくっ付けようと思ったのに」
「余計なことしないでよー」
「あんた達一緒に帰ってから、何ともないの？」

何ともないというか…その前に色々あり過ぎたんだけど。
ただソンフンさんと最後に一緒に帰ってから、急に連絡がなくなったのは気になっていた。

「嫌になったのかも…？」
「何が」
「お祖母ちゃんのゴリ押しが」
「何言ってんの、あんた気付いてないかもしれないけど…ソンフニは店にいる時ずっとあんたの事見てたんだから」

え…？ホントに？

「だからこれは脈があるって思ってたんだけど…まあ定休日にした私のせいかもね」
「…気のせいだったんじゃない？お祖母ちゃんメガネ変えたら？」
「またそんな生意気言って…もう早くそれ食べて帰りな」

お祖母ちゃんはそう言うと、火にかけていた鍋の蓋をとって中の様子を見た。

「見てたなんて、気のせいでしょ…」

そんなことを呟きながら、私はずっと引っ掛かっているソンフンさんの態度を思い出していた。
最後に一緒に居た時、いつもと様子が違くて違和感を感じていた。

「だから…離れても、僕のこと覚えていて」

あれは一体、どう言う意味だったんだろう?
まるでもう会えないみたいな感じに聞こえて、なんか胸が少し苦しくなった。

「……………」

どこか遠くへ行くんだろうか？
フィギュアスケーターの道を選んだ、と言うのならあるかもしれない。
逆に練習生としての道を選んだのなら力くん見てても、あまりいつもと変わらないと思うんだけどな…

「ねぇ、お祖母ちゃん」
「んー」

呼びかけに鍋から一瞬だけ目を離して私を見る。

「ソンフンさんがフィギュアの選手やってた時って、ここに来る頻度って少し前までと変わらなかった？」
「いや大会に出るために遠征とか行って忙しかったから、毎週の様には来てなかったよ」
「ふーん…やっぱり現役の選手の方が忙しいのか」

それなら、先に教えてくれても良かったのに…。
なんて仲良くなれたと思ったけど、それは私だけだった？