【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ39)

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簡単な解決法ページ39

「俺が落ち込んでるのはみんな事情を知ってて分かってたけど、周りがどう声を掛けて良いのかって時に…ジェイだけは俺に話しかけてきたんだよね」

ぽつりぽつり、とヒスンさんが思い出しながら話し始める。
私はそれを隣で同じベンチに座って聞いている。
公園の中にさっきまで居たたくさんの人たちは、少し少なく感じた。

「多分、俺を励ましたくて一生懸命だったんだろうけど…その時の自分が欲しかったのは正論とかアドバイスじゃなくてさ」

確かに…落ち込んでる人に正論やアドバイスって普段よりも効いてしまう時あるから…
というか、ジェイ先輩ってそういう時ほど言っちゃいそー。

「だからつい、お前に俺の気持ちは絶対に分からないって言っちゃった」
「……………」

言われたジェイ先輩、ショックだったろうな。
否定の言葉って言われた方は相当傷つくからね…
特に親しい人に言われるとダメージはかなりでかい。

「はぁ…かなり後悔してる。謝りたいとも思ってる」

2人の仲は私が思ってたよりも、かなり拗れていた。
私は女だし、そんなシチュエーションにも遭ったことはないけれど…
もし自分がヒスンさんならやっぱり先輩に謝りたいってずっと引きずり続けるだろうし、逆にジェイ先輩ならどうして良いのかずっと悩むだろうな。

「あの…」
「ん…」
「簡単な解決法があるかもしれません」
「…え？」

私が微笑むと、ヒスンさんは首を傾げる。

「ちょっと待っててくださいね」

そう言って私はヒスンさんをその場に残して、売店へ向かった。

「…お待たせしました」
「何しに行ったのかと思った」

暖かいコーヒーを持って、私は再びヒスンさんの元に戻る。

「少し歩きません？」
「え？何で？」
「ずっと座りっぱなしだったから」

腕を引っ張るとされるがままにヒスンさんは立った。
そんな彼に、私は買ってきたコーヒーを差し出す。
それを受け取るヒスンさんを見て、私は歩き出した。

「さっきの話なんですけど…」
「うん」
「ヒスンさんは謝りたいと思ってるんですよね」

私が聞くと隣に居る彼はすこし切なそうに俯く。

「ずっと思ってるよ。可愛がってた弟だし…それに」
「それに？」
「大事な友達だし」

そこまで思ってるのに、いや…そこまで思ってるから言い辛いっていうのもあるのかな。
私も力くんに聞きたいことがあっても距離が近過ぎて、逆に聞けないことあったもんね。

「じゃあ、ヒスンさんの気持ちは私が伝えます」