【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ38)

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夜ピクニックページ38

公園の売店で飲み物を買い、私たちはその近くのベンチ付きのテーブルでチキンピクニックをすることにした。
もう日も暮れているけど公園では私たちの様に外で食べたりしてる人も居る。
のんびり川を眺めながら、私たちも遅い夕食を取ることにした。

「揚げたてで食べたかったなー」
「誰のせいでこうなったとお思いで？」
「Aのせい」
「は？何で私！？」

ヒスンさんはチキンを頬張りながら私を見つめる。

「…だって、Aがソヌになんかに店教えてもらうから」
「そんな、こと言われても…まさか同じ店に来るとは思わないでしょ」

しかも隣の席とか、マジで仕組まれたとしか思えない偶然。

「そうやってあちこちに良い顔してるから、バッティングするんだって」
「チャラい女みたいに言わないでくれます？」
「俺だけすればそんなことも起きないのに」

俺だけって…何の話してんだ？
別に私はあの場でみんなと楽しく会食しても良かったんだけど。
そういえばあの後、ジェイ先輩たちはどうしてるかな？

「ほら、そうやってまた別の男のこと考えてる」
「…何でわかるの」
「Aのことよく見てれば分かるよ」

なんか私の頭の中を見抜く人多くないか？
韓国人ってそういう教育でも受けてんの？？

「なんか恥ずかしい、考えてることバレバレで…」
「良いじゃん。そういう子だから、俺は仲良くなりたいと思ったんだし」

ヒスンさんが優しく微笑んだ。
私と仲良くしても何もベネフィットは得られないと思うんだけどな…
そう思うけれど、私もみんなと何かを得るために仲良くしてるわけじゃない。
ただ一、緒に居ると楽しいってだけだった。

「ヒスンさんは…ジェイ先輩と居ても楽しくないんですか、もう」

私がそう言って、ヒスンさんを見つめると少しだけ目線を下に落とす。

「そういう訳じゃ…ないけど」

チキンを置いて、寂しそうな顔をした。

「ヒスンさんがお店から居なくなって、ジェイ先輩も同じ顔してましたよ」

何となくだけど2人は多分同じことを考えてる様な気がした。
ただ、キッカケを待っているのでは？

「もしも私がヒスンさんと喧嘩したらどう思うと思います？」
「さぁ…もう会いたくないって思うとか？」
「違いますよ、その逆」

私の言葉にヒスンさんが顔を上げる。

「早く会って、またいつもの様に戻りたい！って思いますよ」
「…なんで」
「この先もずっと仲良くしたいって思える人だから、です」

私を見る彼の目が、ゆらゆらと揺れていた。