【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ37)

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何もしないからページ37

おじさんはそれから私が色々思うことにも全部きちんと、真剣に答えてくれた。
やはり人生経験が長い人に話をすると目から鱗というか、自分では出せない答えがたくさん出てくるものだな…。

「じゃあ、これお釣りね」
「はい、ありがとうございました」
「じゃ、元気で。食堂で会えたら」

おじさんが運転するタクシーを見送り、私はスマホを出して住所を確認する。
この先のお店の奥にあるアパートっぽいな…。
まだ夕飯時で人もまばらに通る道を進んでいく。

「ここだ」

表札もないけど、部屋番号は合っている。
インターホンを押すと、すぐにドアが開いた。

「早かったね、入って」
「いや私はここで」

そう言ってチキンが入った袋を差し出す。
すると袋を持った手を掴まれた。

「絶対何もしないから入って」
「…それ言うと余計に怪しいですよ」
「じゃあ多分何もしないから入って」
「全然怪しいままですけどね」

私の言葉にヒスンさんが笑う。
思ってたよりも元気そうで安心した。

「じゃあさ…このままピクニックしようか」
「ピクニック？」
「ハンガンにこれ持って行こう」

つまりお持ち帰りのチキンを川沿いの公園行って食べるってことね。
それをピクニックというのかは少し疑問だけれど。

「まあ…ここよりマシか」
「ひどいこと言うね」
「だって」
「嘘ウソ。逆にそれだけ警戒してくれた方が俺的には安心だわ」

私の頭をポンと撫でると、ヒスンさんは上着を羽織って玄関から出た。
そのまま私たちはアパートから離れて、大きな通りに出る。

「今日、ごめん…置いて帰っちゃって」
「ああ…ビックリしましたよ、ソヌ先輩たちから聞いて」
「アイツらと本当仲良いんだね」
「まあ…ヤンくんとは同じクラスだし」

ジェイ先輩とも仲良いの、ヒスンさん的にはどう思うんだろ？
ソヌ先輩たちの話だと、不仲っぽい感じだったけど。

「ジョンソンとは…やっぱジョンウォニ繋がりなの？」
「そうです。いつの間にか一緒にランチ食べてますけど」
「めずらしいね、ジョンソンが女と仲良いの」

そう言えばヤンくんは他の女子とも話すところは見たことあるけど、ジェイ先輩に至っては見たことないな…
そもそもソヌ先輩やヤンくん以外の他の生徒とつるんでるのもあんまり見たことない。

「Aのこと好きだったりして」
「……………え？」
「え？そうなの？」

そんなに分かりやすい程、免疫ないのかパク・ジョンソン。