【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ33)

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相席食堂ページ33

スマホにお店からの連絡が入って、予想時間よりも早めに入ることが出来た。
流石に1時間も待たされるとせっかちなソウル民たちが他の店を見つけキャンセルしてくるらしい。

「あーお腹すいた」
「入り口で先に注文するってホント便利ですね」

ソウルにある飲食店ってどこ行っても入り口で注文するシステム多い。
いかに時間短縮させるかが市民の1番の目標なのかもしれない…

「そういえば、何でこの店にしたの？」

ヒスン先輩の目が手にしていた追加メニュー表の向こうから私を見る。

「え、それは…詳しい人に教えて貰って」
「詳しい人？」

ソヌ先輩に教えて貰ったんだけど、これは伏せておこうか。

「学校の…先輩です」
「へー女子？」
「あ、まあ…私より女子力が上な人です」

これは本当。
ソヌ先輩と話してると、陰キャに優しいカースト上位の女子と話してる気分になる。

「へーどんな子？」
「どんな子…と言われても」

何て説明しようか考えていたら、店員さんがこちらに向かって歩いて来るのが見えた。
料理を運んで来たのかなと思い、期待の目で店員さんを見る。

「こちらへどうぞ」
「……っ！？」

しかし店員さんは私たちのテーブルの隣に後ろを歩いていた客を案内した。

「あ、Aじゃん」
「え、何でヒスニヒョンが」
「……………」

3人の客は私が毎日よく見る仲良し3人組。
こんな衝撃展開に私は絶句。

「お知り合いですか？お隣のテーブルと付けますか？」
「結構です」

ヒスンさんが即答してこの場の空気は固まった。

「あ、かしこまりました…ごゆっくりどうぞ」

店員さんが引き攣った笑顔でそそくさとここから立ち退く。
そして固まってる3人がゆっくりと隣の席に着き始める。

「A…先輩ってまさか」
「……………」

ヒスンさんの問いかけに私は無言で頷いた。
だって仕方ないじゃない…他に友達居ないんだもん。

「…………。」

誰も喋り出せないくらい場が気まずい。
さっきまでお腹空いてたのに、いつの間にかそれが気にならなくなるくらい気まずい。
こんなに気まずいのは、今までで最上級の気まずさ…。

「…あのお三方は今日、レッスンはどうなされたんですかね」

だけどこの状況の原因はどう考えても私なので、何とか場の空気を和らげることに専念しよう。

「今日は練習生の説明会があるから、いつもより始まる時間遅いんだ」

ヤンくんが答えてくれて、隣のソヌ先輩が頷く。

「…………」

パク・ジョンソンは相変わらず真顔だった。