【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ32)

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うさぎの正体ページ32

「あ、ちょ、どこ行くの」

マジかよ、まさか今日ソヌ先輩たちが来てるとは…
しかもジョンソン&ジョンウォンまで連れてくるとは思わなかった！

「A？」
「あっち行きましょ、私気になるお店があるんです」

ヒスンさんの手を引っ張ってここからどこか遠くに行かなきゃ。
ここら辺に居たらまた遭遇するに決まってる。
とにかく軽く時間潰せて、なおかつ男子があまり来ないところに行こ。

「ここ入りましょ」
「あー屋台が遠のく…」

ヒスンさんの寂しげな声は無視して、私は大きな雑貨店へと入る。
可愛いグッズが並ぶ店内に一瞬ソヌ先輩の顔が浮かんだけれど、次にジェイ先輩の顔が浮かんで問題ないと判断した。

「ここずっと前から気になってたんですよね」
「ふーん」

コスメショップやブランドの店には興味を示さない私でも、雑貨屋さんだけは別。
やはりこういうカワイイものは女子にとって、幾つになってもテンション上がるアイテムの一つと言えよう。

「楽しそうな顔してる」
「えっ…逆に楽しくないんですか」

私がそう答えるとヒスンさんが微笑んだ。

「いつもテンションが低いというか冷めてる感じだけど、好きなものに対してはAもふつーの女の子みたいになるんだ」
「別に…ヒスンさんといてつまらないとかじゃないですよ」
「そうなの？てっきり楽しいのは俺だけだと思ってたわ」

そうか…楽しいのか、私と居ると。
なんか意外な方向からそんなこと言われると、身体のどこかがむずむずしてる気になる。

「次はAが好きなとこに行こうよ」
「私は1人で行ってるから大丈夫です」
「そうじゃなくて、もっと知りたいんだよ。Aのこと」

あ、やばい。
イケメンが私の目線に合わせるように屈んで微笑んでくるなんて…
こんなの乙女ゲームをプレイしてる気分になってしまう。

「ふー危ない危ない」

目線をヒスンさんから目の前の棚に戻して、私は深呼吸をする。

「あ、これ。あのスタンプのクマ…じゃなくてライオンのキャラの」
「あー本当だ」

たてがみがない設定の紛らわしいライオン。
その隣にある白いうさぎはライオンの仲間？

「うさぎのキャラも居るんだ」
「これうさぎじゃないの知ってる？」
「え、でも耳ありますよ。うさぎみたいな」
「でも、たくあんなんだって」

は？たくあん？？
ウチの食堂で毎日の様に定食につけている、あの漬物のたくあん？

「どういうこと…？」

私が謎のたくあんに混乱していると、バッグの中にあるスマホが震えた。