【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ4)

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イケメンの上目遣いページ4

「そんなこと言われても」
「先約はこっちなのに」

ヒスンさんの大きな目が私をじーっと見てくる。

「ソヌ先輩は…お友達が事故で入院して代わりにここで働いてるんですよ」
「へぇ」
「知ってしまったからには…何とかしてあげたいじゃないですか」
「…お人好し」

じっと見つめていた大きな目が私から視線を外した。
ヒスンさんは小さく溜息を吐いて、再び私に視線を合わせる。

「…そんな上目遣いで言われるとなー」
「いや、座ってるからこうなるだけで…」

それにヒスンさんの背がデカ過ぎるのが悪い。

「よい子のAに免じて、今日のことは許す」
「…感謝します」
「でも…ソヌにはちょっとムカついてるけど」
「え、何で」

それって結局、まだご機嫌ななめってことですか。

「切迫詰まってたとはいえ、こんな時間にひとりで…Aを働かせるのはどーかと思うよ」
「え…」
「しかも人が滅多に来ない店に」

ヒスンさんは店の外を見る。
確かにさっきから通りに人がいる気配は全くない。

「貸して、上着」
「えっ」
「俺が代わる」

するとヒスンさんは、レジカウンターの跳ね上げ式の扉を上げて中に侵入する。

「ちょ、何してるんですか」
「タクシー呼ぶから帰りな」

私から上着を剥ぎ取ると、それをさっと羽織って隣に並ぶ。

「それはちょっとさすがに…勝手に交代したらソヌ先輩が怒られちゃいますよ」
「別に良いじゃん。何にしろソヌは損してない」

うーん、良いのか？これ。
普通に考えたら完全にアウトなんだけども。

「それに未成年の女子を置くより、店的にも俺の方が良いでしょ」

それを言われると確かに合理性はある。

「早く帰らないとソヌのバイトのこと、事務所にバラすよ」
「分かりましたよ、もう」

私は渋々バックヤードに向かい、ロッカーから上着とバッグを取り出す。

「ソヌ先輩のこと、絶対に言っちゃダメですよ」
「分かってるよ」

交渉成立。
私はレジカウンターの外に出た。

「それで…チキンはいつ行きます？」
「へー。Aが連れてってくれるんだ？」

そんな無邪気な笑顔見せられると、どっちが年下だか分からなくなるな。

「お店調べて決めたら、連絡しますね」
「うん」
「では」

小さく手を上げて、そのまま店を後にしようとした。

「A」
「はい？」

振り返るといつの間にか座っていたヒスンさんが上目遣いで私を見ていた。

「今度は絶対、俺優先だからね」
「…もちろんです」

イケメンの上目遣いやば。