【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ28)

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アイドルになりたいページ28

「あれ、まだ帰ってなかったんだ」
「うん、今日日直だったから…日誌に書くことなくて困ってる」

誰も居ない教室でひとりで机に向かっていたら、ヤンくんが入って来た。
窓からの日差しを浴びて、イケメンがますますキラキラしてますわ…

「もう1人の当番は？」
「今日休みだったみたい」
「そっか、運が悪かったね」

そう言ってヤンくんは自分の席で帰り支度をしている。

「まだかかりそう？」

カバンを持ってこちらにやって来た。
私は日誌を持ち上げ白紙のままの『今日の記録と感想』をヤンくんに見せる。

「こういうのって何書けばいいか悩むよね」
「ホントそう。平凡な一日の感想なんて、特に無いもん」

今日は何があった？
朝たまたま寄ったコンビニにヤンくんも居て、偶然同じお水を買ってたこと。
教室移動の時、窓の外を見たら体育館に移動するソヌ先輩がこっちに気づいて手を振ってくれたこと。

「北校舎の自販機、中身全部変わってたよ。冷たいお茶ばっかりだったけど」
「へー、もうすぐ夏だもんね」

あー、あと自販機の前で、ジェイ先輩に捕まったことも。

「あのさ、イ・ヒスンって知ってるよね？」
「ヒスニヒョン？」

やっぱり知ってたか…

「なんで？」
「…ニキが前にすごい練習生が居るって言ってたから」
「まー確かに、レジェンドって言われてる」

すごい通り名が付けられてるんだ、ヒスンさん。

「あの人は、練習生が受けるレッスンの評価でずっと1位だったからね」
「へーすごい」
「でも…色々あって、最近は見てない」

色々とはデビューのことなんだろうな。
初めて会った時に嫌なことがあって私に当たったって言ってたし。
でも最近、レッスンに来てないなら…そのまま辞めちゃうってこと？

「早く戻って来てくれないかな」
「仲良かったんだ？」
「うん。僕もだけど、ジェイヒョンも…みんなの憧れの人だから」

そんなにすごい人と私土曜日にチキン食べに行くのか…
なんか有名芸能人に会うみたいで緊張して来たな。

「デビューってさ、結局のところどうやって決まるの？」
「うーん…基本的にはデビューするグループのコンセプトに合った人が選ばれるんじゃないかな？」
「じゃあ…どんなに優秀でも、そのコンセプトに当てはまらないってだけで選考から外れちゃうの？」
「多分そうだと思う」

ヒスンさんもそうだったのかな…
もしそうなら、本当にショックだよね。

期待が大きかった時ほど、絶望感も大きいんだろうな。