【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ16)

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猫系彼女ページ16

次の日。
力くんたちの事務所が入るビルが定期点検で全面使えないとのことで、久しぶりにレッスンが休みになったらしい。
とはいえ、学校に行っているメンバーは普通に朝から授業。

ちなみに学校へ通っていない力くんは久々の休みなのに、朝から1日寝る宣言をしていた。

「女の子の買い物に付き合うの、久しぶり」
「へー、前は行ってたんですか？よく」

私は練習生ではないので、いつもの日常を繰り返す訳なんだけれども。
お祖母ちゃんが力くんが休みなのを知って「たまには放課後友達と遊んできな」と私にもお休みをくれた。

「ヌナとよく行くよ」
「お姉さんと仲がいいんですね」

そんな事情を知ったソヌ先輩はホンデに買い物に行きたがっていた私に着いてきてファッションコーディネート中。

「Aは骨格診断って何？」
「こっかくしんだん…？」
「あと、パーソナルカラーは？」
「何の話ですか」

意味が分からずソヌ先輩を見ると、ハイハイと呆れた顔で私の肩を叩いた。

「あんたが知る訳ないか」
「え、流行語？」
「流行語って…トレンドとかバズりとか言ってくれない？」
「…はーい」

なんで私よりソヌ先輩の方がJK真っ只中なの。
最近の流行りのこと全部、先輩から聞いてるんだけど。

「知っておくと便利だから調べなよ」
「どうやって？」
「診断してくれるサロンがあるからさ、一緒に行こ」

本当に女子力高くて羨ましい。
こんな人と付き合えたら女の子は楽しいんじゃない？
夢の国でカチューシャも自ら付けるだろうし、パレードの場所取りまでやってくれそう…。

「先輩と付き合える女の子は幸せですね、こうやって女の子の好きなことにとことん付き合ってくれるし」
「何言ってんの」

ソヌ先輩は私の戯言に鼻で笑いながら、ハンガーに掛かった服を左から右へ高速で流しながらチェックしている。
ちゃんと見てます？どんな服か。

「僕は好きな子には甘えるタイプだから」
「えっそうなんですか」

なんか意外だな…
どっちかといえば、お互いに甘えまくってずっとイチャイチャしてそうなのに。

「あんまり化粧もしない、着る服にもこだわらない女の子してない子とぼーっとのんびりするのが好き」
「へぇ…女の子してない子」

それ………どういう子？

「…分かってないね？」
「何となくだけど、気付いたかも」

するとソヌ先輩が私を見て目を丸くする。

「えっ、」
「…猫」
「猫…？」
「私も猫になりたい」

生まれ変わったらお金持ちの家の猫でお願いします。