【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ15)

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迷宮入りページ15

どうしよどうしよ…
ついさっき、力くんは女の子をタクシーに乗せて見送ると家の中へと入って行った。
多分私が家に居ないのも気づいてるだろう…
それに私がお祖母ちゃんに頼んじゃったから、探してることもバレてそう。

「捜索してたってことにしてー、今。今戻った。それ行こう、OK？」

ソジュに小さな声で話し掛ける。
分かりませんと言わんばかりにソジュは首を傾げた。

「よし…行こ」

立ち上がって、ソジュに繋いでいるリードを引いて歩き出す。

「え、ちょ…何してんの」

するとソジュが家に入るのに気づいたのか、玄関と裏庭の間で一歩も動かなくなってしまう。

「ねぇ、やめて！今度は私が探されちゃうでしょ」

それでも頑として動かないソジュ。
仕方ない、抱っこして家に入るか…

「わっ！」

すると大きな音を立てて玄関の扉が開いた。

「あ、ソジュ！」

中から出てきたのは力くんで、家の門へ向かって走り出す彼を追う様に走り出した。

「って、え？」

すぐにソジュは追いついて、力くんに嬉しそうに飛びついている。
絶対、散歩目当てだと言うのは分かったけど…

「ソジュ、何でここに？」

ソジュを抱っこして、力くんは辺りを見回している。
もう隠れてても無駄だな…

「あら、もしかして力くん？」
「……Aちゃん、何でそこに？」
「えっと…ソジュがー、何か…急に…」

ごにょごにょしてるとソジュを抱っこした力くんが私に近づいてきた。

「良かった」
「ん？」

急に抱きしめられたけれど、その意味がわからない私はされるがまま。

「僕のこと探してるって聞いたから…遠くまで行ったのかと思って」
「あーなるほど…」

いや…お前さっきまで女子といちゃついてたやん。

「お祖母ちゃんにまで言っちゃった」
「えっ」
「事務所の人に連絡するって」

すると青ざめる力くんは急に私から離れ、ソジュを私に預け、家の中に急いで戻って行く。

「もうちょい待てば良かったかな…」

女の子と一緒にいるとこ、見なくて済んだし…。

「ていうか誰だったんだ、あの子。」

学校行ってない力くんとどこで知り合ったんだろ？
年齢は同じくらいに見えたけど…
でも練習終わってから会ってたってこと？
そうなると…

「いや、分からん」

もう考えても迷宮入りは確実。
私は頭をブンブンと振って、ほっぺをぺちと軽く叩いた。

「…うん、もう忘れた」