【EN-】ようこそヨンサン食堂へ(仮)-3 (ページ1)

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大好き、愛してるページ1

「もう2ヶ月か…」

こっちに来てもう2ヶ月。
でもある意味まだ2ヶ月とも言える。
スマホのスケジュール帳には今日の予定がびっしり詰まっていた。

『朝:学校→夕方:お店の手伝い→夜:ソジュの散歩兼ヒスンさんに会う』

よく考えたら、ヒスンさんとはほとんど夜しか会ってないんだけど？
一度公園ですれ違って追っかけた時でさえ、もう夕方だった気がする。
あの人、昼間何してんだろ…

「え…これはザイオンス効果？」

接触する時間と相手の情報量に酔って人は好感を抱きやすいという心理現象ね。
だから学校や職場で恋愛が生まれやすいとか…。

「Aさーん」
「あ、ヤンくん…とソヌ先輩？」

教室の出入り口から私を呼ぶヤンくんと、その後ろのソヌ先輩。
私が立ち上がると、ソヌ先輩が小さく手を振った。

「どうしたんですか、2人して」
「僕はソヌヒョンにAさんを呼び出してって頼まれたから」
「そうなんだ」
「じゃあ僕は委員会の用があるからこれで」

ヤンくんはそう言うと爽やかに去っていく。

「え、何ですか」

その姿が見えなくなった所で急にソヌ先輩が私の肩を掴む。

「A、一生のお願い」
「え？怖い、なに」

一生のお願いって、お願い言われる前に言われるとめちゃくちゃ嫌な予感するのは何でなの？

「バイト、今日だけ代わって」
「………ん？」
「今日、事務所の月例会のこと忘れてシフト入れちゃったんだよ〜絶対出ないとダメなのに」
「んーなるほど」

とは言ったもののよく分からないんだけど、とりあえず…バイトの出勤を代わればいいんだよね？

「良いですよ、時間は？夕方？」
「それが…22時で…」
「えっ？その時間、未成年は無理じゃないですか」
「コンビニの社長さんがOKしてるから…責任者が居る場合、法律的には問題ないって」

本当に？
じゃあお祖母ちゃんが働けと言えば私はこき使われるってこと？

「…やっぱりダメだよね。それにA、女の子だし」
「…そんな目で見ないでくださいよ」

私より背が高いはずのソヌ先輩がめちゃくちゃ上目遣いで見てくるんだけど。
どういうテクニックをお持ちで？

「僕を助けると思って。今日だけだから」
「んー時間が…」
「お願いお願いお願いお願いお願い」
「最後はゴリ押しじゃないですか」

私に縋るように肩を掴んでくる。
呪文の様に「お願い」を連呼するのは、私が観念して折れるのを待ってるんだろう。

「もうわかりましたよ…」
「やったー！A大好き、愛してる！」
「ハイハイ」