お布団戦争 ページ7
今日は寒いなー。
布団から出たくない。
このぬくぬく、懐かしい…
「何…もぞもぞしてんの…」
「……ん？」
私の耳元で誰かが囁く。
これはもしかして…
「はぁ…どうやって入って来た」
「んー…ドアの鍵、開いてたから」
この家に引っ越してから、念の為に付けた部屋の鍵。
とは言ってもトイレとかにある様なタイプの、内側からツマミを横にする簡素な物。
「あー昨日トイレ行った時に締めるの忘れたんだ…」
「鍵なんて付けなくていいのにー」
布団の中から不満を漏らすはこの家のもう一匹のワンコ、西村力。
「そうやって入ってくるからじゃん」
「なんで？入るくらいいいでしょ、前は許されてたのに」
「別に許してないから。それにこの家に来てから布団に入るだけじゃなくて抱きついてくるでしょ」
「Aちゃん、僕の大事な抱き枕だから」
…呆れた。
前に布団に入って来た時、締め技みたいに全身がんじがらめにされて一瞬呼吸止まったんですけど？
しかもそのせいで次の日は全身筋肉痛になって全ての労働に支障が出たんだから。
「力が有り余ってるから力くんはただ抱きついたつもりでも、私には致命傷になりかねないんだよ」
「はぁ…うるさいなーもう。後で聞くから、大人しく抱かれてて」
「やだよ、離してって」
力くんから逃げようともがけばもがくほど、彼の私を抱く力が強くなる。
「あ、ちょっ！Aちゃん！やめて！」
少しでも離れようと思い、力くんの脇腹をくすぐった。
「じゃあ離れてよ！」
「分かったから、あはは…やめて」
ゲラゲラ笑い出す割には腕は私を掴んだまま離さない。
なんか笑い声聞いてたら、楽しくなって来た。
「あーもう！そこやめて無理しぬ…あははははっ」
「じゃあ離してってば、あっ、ちょっ…やめて」
すると力くんが隙を見て私の横腹に手を伸ばしてくすぐってきた。
「オラー！倍返しじゃー」
「ヤダヤダヤダ、ちょっと！ちょっとやめて〜！」
布団の中で力くんは私を捕まえた上でくすぐるから何も出来ない状態。
「助けてー！」
そんなカオスな中で思い切り叫ぶと。
「大丈夫！？」
その声にすっ飛んできた早起きのオーストラリアくんこと、シム・ジェイク。
「やめてよ、むり！むりだってば！」
「ニキヌナと…ニキ！？」
名前を呼ばれて私たちの動きが止まる。
「お前何やってんだよ」
「いや、これは…」
あ、その目…絶対誤解されてる。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
