人見知り発動 ページ49
「ちょっと、何すんの」
「Aちゃんを可愛がってる」
「こぼれるこぼれる」
力の入れ具合をいい加減に覚えてほしい。
というかことあるごとにくっ付くなってば。
「なー、よく考えたらこれ日本語だから意味が分かんないわ」
「え」
ジェイ先輩がさっきの漫画を持ったままこっちに来た。
状況が分かってるのは私だけで、抱きついてる力くんとジェイ先輩お互いを見て固まる。
「何でここに…」
どうやら力くんはジェイ先輩の顔を見てすぐ気付いた模様。
ジェイ先輩は逆に目を細めながら力くんを分析中。
「お前…見たことあるな。前に練習室の前でソンフンと話してた奴じゃん」
「あ、アニョハセヨー」
先輩の眼光に撃ち抜かれたのか、力くんはいつもより発音が悪い韓国語で挨拶する。
「うちの事務所の練習生がなんでAの家にいんの」
「昨日言いましたよ、カトクで。下宿してるって」
私が言うと先輩は左上を見ながら思考中。
「でも何で抱きついてんの」
「それは…」
私がシッシッと手で追い払うと意外にも力くんは私からスッと離れた。
「まだ…14歳で、こっち来たばっかりで」
「俺はいまだに女に抱きついたことないけど」
何その拗ね顔。
そこら辺の女子捕まえてお願いしたら、その顔で直ぐに行列できるわ。
「ま、いーや。2人とも、退いて」
「え、あ…はい」
そういうとジェイ先輩は手に持っていた漫画を何故か力くんに渡す。
私はお茶を持ってその場から退出。
「お前…名前は？」
「あ、ニキって呼ばれてます」
「腹減ってる？」
「え、はい」
力くんの返事を聞くとジェイ先輩が、ガスレンジにフライパンを乗せて火を点けた。
「…ニキは、好き嫌いあんの？」
「ないです」
「分かった」
すると先輩は黙々と調理を始める。
それを見てると力くんが後ろから私を引っ張り、先輩から死角になっている廊下へ移動した。
「何であの人、ここにいんの」
「学校の先輩」
「いや、だから何で」
人見知りを発動してるのか、それとも練習生の先輩がいてビビってんのか。
こんなに大人しいのは私が初めて韓国来たときに話し掛けて来た以来だわ。
「あの人、ソンフニヒョンと同じ一番上のクラスの人なんだけど」
「へえーそうなんだ」
あんまり興味そそられなかった私は、手にしていたお茶を一口飲む。
「これを機に仲良くさせて貰えば」
「無理…後でボコられるに決まってる」
ビビってる力くんを見て思わず笑う。
「あ。今、包丁持ってるよ」
「えっ」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
