僕のこと好きだね ページ48
「終わった」
「はい」
「何で中に入れてくれないの」
「え、まだ終わってないから」
ドアを開けようとするジェイ先輩。
ドアを閉めようとする私。
「終わったってさっきA言っただろ」
「終わったとは言ってませんけど」
いや、何で入ってこようとすんの！？
「お腹すいたし、ご飯食べましょうよ。私手伝いますから」
「もう家でほとんど作って、温めるだけだから大丈夫」
さすが料理人、パク・ジョンソン…
気が利きすぎて時間稼ぎ出来ないじゃないか。
「じゃあリビングでテレビでも見ながら」
「その前に部屋見せて」
「やです」
私の部屋なんて見ても何の得にもならないけど？
「一瞬だけ。そしたらすぐ行くから」
「ええ」
すると私がすきを見せた瞬間、奴はドアに足を挟んで侵入してくる。
「ちょっ」
「へーこんな部屋なんだ、Aの部屋」
なんか上京した娘の部屋に、初めて来た父親みたいな顔してますけど…
「あ、日本の漫画あるじゃん。見せて」
「はぁ、どーぞ」
今から追い出す為に、この口の回る男とまた押し問答するのも面倒なので諦めることにした。
あ、ヤンくんの助言に素直に従って部屋のドアは開けておこう…。
「これ最新刊じゃん。どこで買った？」
「親が送ってくれました」
「いいよな、俺も日本に親戚がいれば」
漫画を片手にしたジェイ先輩が椅子に座る。
「ちょっと、一瞬だけって言ってたじゃないですか」
「まだ昼まで時間あるし、少しいいだろ」
「えー」
マジで読み始めたよこの人…。
でも散々掃除させといてるくせに、部屋に入るくらいでギャーギャー言うのも恩知らず過ぎる。
「飲み物持ってくるんで」
「悪いね」
絶対悪いなんて思ってなさそうなジェイ先輩は私に背を向けたまま漫画を読み続ける。
小さくため息を吐くと、自分の部屋から出て台所へ向かった。
「…おはよ」
「まだ寝てたの」
まだ眠いのか目を擦りながら力くんはパジャマのままこちらに来る。
「なんか…いい匂いする」
「あ、ちょっとこぼれるって」
お茶をコップに注いでると後ろから力くんは私の肩に肩を乗せて来た。
「お肉の匂い…お腹すいた」
「あ、そうだ今日ね」
「なんか家がめっちゃ綺麗になってる」
台所やリビングを見渡して、力くんは目を丸くする。
「掃除したの？」
「うん、あ、でもリビングは私じゃなくて」
「なーんだ、昨日のお詫び？」
力くんは嬉しそうに笑うと私に抱きついた。
「Aちゃん、ほんと僕のこと好きだね」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
