疲れちゃった ページ42
本当は…何だったんだろ？
ソンフンさんの最後の言葉の続き、めちゃくちゃ気になる。
これでこのまま音信不通とかになったら、私一生後悔しちゃうんだけど？
「次に停車する駅はソンス、ソンス駅です。ソンス支線に乗り換えられる方は、次の駅でお降りくださいますようお願い申し上げます」
降りたら、もっかい掛けてみよう…。
出てくれると良いんだけど。
「それじゃ気をつけてー」
「またねー」
土曜日だからなのかソンスで遊んで、これから帰る人も結構居て駅や駅前にも人が居る。
改札を出た私は、ポケットからスマホを取り出した。
「…Aさん」
あれ？
通話ボタン押したっけ？
「こっちです」
「え…っ」
後ろから声が聞こえて振り返った。
「…何でここに居るんですか」
するとソンフンさんは気まずそうに鼻筋を触りながら、こちらに歩いてきた。
通りすがりの女子がみんな見てる…なんて視線を感じながらも、私もソンフンさんに近づいた。
「電車に乗るんだろうな…って思ったから、ここで待ってたら来るかなと」
「え、どこから来たんですか」
「自宅から」
ヨンサンからここまではだいたい20分くらいなんだけど…
待ってたってことは、めちゃ急いで来てくれたんだ。
「優しすぎますよ…」
「そう捉えてくれたら嬉しいけど、僕が来たくて来ただけだから」
私、こんなことされる価値ないのに。
ソンフンさんみたいな完璧な男の子には、もっと釣り合う女の子が絶対居るはず。
「どうしたの」
「分かりません」
何となく…ずっと考えてたんだけど。
私はこの1ヶ月半、ずっと落ち着かなかった。
家族や友達から離れて知らない国で住むことも、知らない男の子と暮らすことも。
知ってる人が誰も居ない学校に通うのも、今まで無縁だった男の子とこうしてることも。
「日本の静かな生活が好きだったんです」
「……………」
別に誰が悪いわけじゃないし、ホームシックにかかる外国人ならこうなることもあると思う。
お祖母ちゃんはよく話を聞いてくれるし、力くんも居るから寂しくはないんだけど。
「だからちょっと、こっちに来て疲れて来てるのかも」
そう言って俯くと、私の頭に手が触れる。
「大変だったね」
「…………っ」
頭を撫でられたら涙が出て来た。
周りの視線が気になるけど、どうでも良い。
「Aさんが頑張ってるの、きっとみんな分かってるよ」
優しい言葉に甘えたくなって、私はそのままソンフンさんに抱きついた。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
