瞳を閉じて ページ5
「お待たせー」
「あ、ありがと」
「実はペダルでフラペチーノ頼んでたんだよね、どれにする？」
さっきの気まずい空気はなんだったんだろうか？
と思うほど、戻って来たヤンくんはいつものヤンくんだった。
「じゃあこの、ピンクの」
「はいどーぞ」
飲み物が入ったプラスチックカップを渡された。
一口飲んでみると、いちご味。めちゃうま。
「そういえば私、お菓子持って来たんだ。食べる？」
「本当？食べる食べる」
コンビニでテキトーに買って来たやっすいお菓子たち…お呼ばれようのオシャレなスイーツじゃなくてごめん。
「あ、バターワッフル。これ好きなんだ」
「美味しいよね」
「ホームランもある」
「前に好きって言ってたから買って来た」
私がそう言うとヤンくんは目を合わせニコッと笑った。
「覚えててくれたんだ」
「うん…でもこれしか分かんなかったんだけどね。ヤンくん好きなお菓子たくさんあるでしょ」
「嬉しい、これだけあれば十分だよ」
お菓子を一つずつ摘んでパクパク食べてる姿が小動物みたいで可愛い。
こんなの見たら延々と餌付けしたくなるな…
さすが愛され力つよつよなヤン・ジョンウォン。
「そうだ、今日Aさんが来るから…映画でも見ようかなって思ったんだけど」
「観たい観たい」
「何みよっか」
大きめのノートパソコンを机から持ってくるとヤンくんは床に置く。
ベッドを背もたれにして床に座るとヤンくんは私を手招きした。
「こっちおいでよ」
「うん」
「これ使って」
クッションを渡されたのでそれを床に置いて上に座ったら。
「何が良いかな」
「んー面白そうなのある？」
画面を見ようと首を傾けた。
「もうちょっとこっち来て良いよ」
するとヤンくんは私の肩を引き寄せてノートパソコンの前に動かした。
「…ありがと」
突然距離が近くなって驚いた。
でもこれ、パソコンの画面を私の方に向けてくれたら良いのでは…？
「なんかいい匂いする」
「えっ」
急に肩の辺りに鼻を寄せられて驚いた。
なんかさっきから近い？
横目でそっとヤンくんの顔を盗み見ると、彼も私を見ている。
「…今何考えてるの？」
「え…映画の…こと」
「ほんとに？」
そう言えば男の子をじっと見るなと言われたけれど…
男の子からじっと見られてる時ってどうしたらいいの。
「目…、閉じて」
「……………」
目を閉じたらいいのかな。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
