王子様の彼女 ページ37
ソンフンさんが再び練習に戻ると言うので、今度は近くで見学させてもらうことにした。
「いいなー楽しそう」
スイスイと滑る様子は本当にカッコ良くて、風に靡きながら縦横無尽にリンクの上で動くソンフンさんはとても気持ちよさそうに見える。
「あ」
するとすぐ近くでさっきの美少女も練習し始めた。
「…………」
2人が長い腕と長い脚を広げて華麗に舞っているのを見てると、本当に住む世界が違うなって思う。
私の日常にはない光景を目の当たりにすると、彼らに関わることなんて想像の中に居るみたいなもの。
「うーん…」
きっと彼がもっと有名になったら、もう2度と会えないんじゃないかって…寂しくなった。
「…どう？退屈してない？」
私の目の前に、まるで磁石にでも吸い付けられたのかの様に寸分狂いなく止まって現れた王子様。
「わ…すご。ぜんぜん退屈してませんよ、見てるだけで楽しい」
「ほんと？良かった…」
「あ、ソンフンさん滑ってるところ自分のスマホで撮影しても良いですか？」
「もちろん」
嬉しそうに笑うと、ソンフンさんはすぐに滑り始める。
私は自分のスマホを取り出して録画ボタンを押した。
「うわー…テレビでやってるフィギュアの世界大会見てるみたい」
さっきビデオカメラで録画した時は小さな液晶画面で見てたから分かり辛かったけど、こうやって大きく映る姿を見てると本当にカッコいい。
そりゃお出迎えするファンも居るわ…
「…何撮ってんの」
「うわ」
急にスマホの外カメを手で覆われる。
その手はもちろん例の美少女。
「ソンフンさんです」
今度は自分のスマホで録画しているので構わずしゃべった。
「撮らないでよ」
「ちゃんと本人に許可もらってます」
「…こ、ここのスクールにも？KSUは？」
「KSU？？？」
すると彼女は思い切り拗ねた顔で私に言う。
「とにかく、私がダメって言ったらダメなの」
「暴君過ぎる…」
「ソンフニは将来私とペア踊るんだから。変な虫がついたら困る！」
何でこんなに突っかかってくんの…
さっき相手にしないって言ってたやん。
「虫にもならないから安心してください」
「やだ、早く出てって。私とソンフニの中から消えてよ！」
いや何でそんな泣きそうなの…
こんなに絡まれてる私の方が泣きたいわ。
「終わったら出て行きますってば」
「今すぐに！」
「ええ…」
「なんでアンタみたいなのがソンフンの彼女なの！？」
え………今、なんて？
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
