ザイオンス効果再び ページ34
「ねえ、ソンフニ」
何か思いに耽る美少年を横目で見ていたら、さっきの美少女が近付いてきた。
「なに？」
「ちょっと話があるんだけど」
「今度じゃダメ？今、この子と居るし」
ソンフンさんが気を遣ってそう言えば、それに相対するように彼女の機嫌が悪くなるのを感じる。
「でもコーチに早く伝えろって頼まれてんだけど」
「はぁ…分かった」
腕組みして私を見下ろす彼女。
めちゃくちゃ睨んできてて…怖っ。
「で、なに？」
てっきり別の場所で話すのかと思いきや、動かないソンフンさんに美少女の顔が歪む。
あれ、ここで話すの？って私も思ったよ…ソンフンさん。
「あの、私ちょっとトイレ行ってきますね」
「えっ、」
「おトイレは南エリアの2階にある女子トイレがキレイなんでオススメですよー」
美少女は私が退いた席にすかさず座った。
あからさまな感じに苦笑いをして、私はその場から立ち去る。
「Aさん、迷ったらすぐ連絡して」
「あ、はーい…」
ソンフンさんの隣の美少女は私に思い切り手を振る。
その横でソンフンさんはちょっと寂しげな顔をしていた。
「南エリア…」
休憩スペースを出て、出入り口にあった案内図を見る。
現在地から一番離れてるトイレじゃないか…
「ちょっと散歩でもしよ」
美少女に言われた通りにその遠いトイレを使わなくても良いんだけど。
気分転換にそこまで行くことにした。
「ここめっちゃ広いな」
なんてキョロキョロしながら歩いていると、カトクの通知音が聞こえてくる。
『着信中:イ・ヒスン』
連絡待ちのザイオンス効果からだ。
出るか一瞬迷ったけど、散々待たせて申し訳ないので通話ボタンを押す。
「もしもし」
「また忘れてたでしょ、俺のこと」
出てすぐに文句を言われる。
なんだか遊んでもらえなくて拗ねたペットみたいに思えてきた。
「いやいや…今日…か明日？くらいには連絡するつもりで…」
「取ってつけたように」
「すみません…」
私が謝るとスマホの向こうで大きなため息が聞こえてくる。
「今何してんの」
「今は…スケートリンクに居ますけど」
「誰と」
そう言われてソンフンさんが前に力くんといた時に、ヤンくんの存在を説明する時にヒスンさんの名前を言っていたのを思い出す。
「パク・ソンフン…って分かります？」
「え、ソンフンとも知り合いなの？」
「ウチの食堂の常連さんなんで」
そう説明するとヒスンさんはフッと笑う。
「常連さん？それだけじゃないでしょ、関係」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
