可愛くてゴメンヨー ページ30
次の日の土曜日は、ソンフンさんの自主練に付き合う予定が入っていた。
私は力くんと住むソンスには戻らず、泊まっていたヨンサン食堂から待ち合わせのソンスへ向かうことに。
シャワー浴びた後、流石に昨日の服は着れないのでこっちに残ってた私の荷物から引っ張り出してそれを着ることにした。
「まービデオ撮るだけだしこんなもんでいっか」
我ながら本当に女っ気がないと言うか…
国宝級イケメンに会うのにこんなんでいいのかと思うけど、無駄な努力はしない省エネ主義なので仕方ない。
「…髪は結んどこ」
いつも下ろしていた髪は一つにまとめてみる。
「こんなん…地味ハロウィン並に地味だわ」
残り物から選んだ地味な服に合わせるとマジで近所のコンビニへ行く陰キャで逆に笑えてきた。
「行ってきまーす」
お祖母ちゃんに一声掛けて、私は出発する。
途中で乗り換えの駅を経由して待ち合わせのソンス駅に着くんだけれど、よく考えたら隣の駅から来るソンフンさんの最寄駅で待合わせれば良くない？
「ま、いっか」
連絡してややこしくするのもな…
って言い訳して持っていたスマホをポケットにしまった。
「………あ」
ポケットにしまった瞬間、電車に乗り込んでくる国宝級イケメン発見。
声を掛けようかと思ったけれど、その瞬間ソンフンさんが急に出入り口の窓を見つめ始めてしまってタイミング失う。
「次はソンス、ソンス駅です」
ソンフンさん…窓に映る自分を見ながらめちゃくちゃ前髪いじってる…。
そんなにいじらなくても全然いけてますよー。
「ソンス支線はお乗り換えです」
「…………。」
こうやって本人に声を掛けずに盗み見るのって若干後ろめたさはあるけど、自制心が好奇心に勝てない。
そもそもソンフンさんの横顔が美しすぎるせい、という言い訳。
「………あ」
その美しすぎる横顔が急にこっちに向いた。
そして私と認知したのか、彼の目が見開く。
「ヤー、何でここに居るの」
恥ずかしそうに笑いながらソンフンさんがこちらに来る。
その笑顔も眩し過ぎて直視できないほどやはりイケメン。
「昨日は帰りが遅くなって食堂の方に泊まったんですよ」
「そうだったんだ」
「先に知らせておけば良かったですね」
「そうだよ、Aさんに覗き見されなくて済んだのに」
私の肩をポンと叩きながらまた恥ずかしそうに笑う。
「あー恥ずかし」
その笑顔はまた可愛くて、イケメンなのに笑うと可愛いなんて世の中は相変わらず不平等だと思った。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
