マーキング ページ21
結局、ジェイクさんの贈り物ってなんだったんだろ…
渡す時もいつものハッピーな感じはしなくて、何となく遠慮がちな態度だったと思う。
なんかこう…お詫びの品、みたいな？
「お詫び…ゲームの時のたんこぶはもう治ったけどな」
いつかの対戦ゲーム中のコントローラー事故。
あの時はめっちゃ痛かったな…
「ただいまー」
家に帰ると相変わらず力くんのスニーカーが出しっ放しの乱雑な玄関がお出迎え。
そこを通り抜けてリビングに向かう。
「こんなとこで…」
ソファに横たわってスヤスヤと寝息を立てる少年。
足元にはソジュも寝てる。
私はため息を小さく吐くと、カバンを椅子の上に置いた。
「ちょっと、ここで寝ると風邪ひくよ」
「んんん」
最近、力くんはレッスンの帰りに食堂に寄らず直接家に帰っていた。
疲れ果てているせいか、晩御飯はあまり食べてないみたい。
「ほら、起きて。移動したらもう寝ていいから」
本当はシャワー浴びて欲しいんだけどね。
疲れてるとそれすら面倒っていうのはよく分かるから、朝風呂に入らせれば良いか…となる。
そして日常生活の秩序は崩れていくと。
「…Aちゃん？」
「なに」
「なんか良い匂いする」
揺さぶって起こそうとした私の腕を掴むと、力くんは私の手首に自分の鼻をくっつけた。
「…どっかで匂ったことあるな」
「え？」
「あ…ジェイクヒョンだ」
そう言えばさっきもらった香水をお店で一度開けて試しに手首に付けてみたんだっけ。
でも、何でジェイクさんと同じ匂い…？
「ジェイクヒョンに会ったの？」
「うん。お店に来て、いま付けてる香水貰った」
「香水もらったの？何で？」
そう言いながら力くんは起き上がると私を見る。
なので私は椅子に置いたカバンから証拠の品を出した。
「これ、なんだか…気まぐれでくれたっぽい」
「気まぐれ？んな訳ないよ、僕に聞いて来たもん」
「何を？」
「ニキヌナって何あげたら喜ぶ？って」
え？なんで？？
あれ気まぐれサプライズプレゼントじゃなかったの？
「だから現金って言ったんだけど」
「おい、変なイメージつけんな」
私が睨むと力くんはひひっと笑う。
「でもそしたらさぁ、いくら？って聞くんだよ…ウケるよね」
「そうやって年上を揶揄うのは辞めなさい」
真に受けないでジェイクさーん。
「でもまさか自分が使ってる香水あげるなんて、どう言う魂胆なんだろ」
え、まさか？
"香水をあげる意味はね、マーキングしてるんですよ"
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eng(プロフ) - 依鈴さん» ありがとうございます！気づけば長くなってしまいましたが、引き続きよろしくです^ ^ (3月4日 17時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - 続編楽しみにしてました〜！面白いです！毎日楽しみにしてます！ (3月4日 16時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年3月4日 14時
